復活
□下克上
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「罰ゲームに止まったら、この箱からクジを引いて、それに書いてあった事をしなければならないのです!」
小さな紙が数枚入ったクッキーの空き箱をスゴロクの横に置き、彼女は言う。
「では、ツナさん。レディーファーストということで、私が先攻で行きます!」
彼の溜息を肯定と受け取ったのか、彼女は某キャラメルの空き箱であろうサイコロを投げた。
1。
よっ…予想通りです、と呟き、彼女は小さな消しゴムをコマ代わりに1マス目へ進む。
そして、無言のままクジを引いた。
カサと音を立てて紙を開き、その文字を目で追い終えると、またカサと音を立てて紙を閉じ、握り締めた。
そして、何事もなかったかのように、
「はいっ、次はツナさんのターンですね!」
「ちょっと待った、罰ゲームは」
「免除、と書いてありました」
「嘘つけ」
彼女の手から無理やり紙をひったくり、彼は声に出して読む。
「……ヒバードを拉致して、雲雀さんから身代金を貰う…」
これらを作成したのは彼女であって。しかし彼女は"自分がやるかもじれない"という可能性を考慮しなかった為、このような無茶な罰ゲームが飛び出すのだ。
「頑張って」
「無理です」
「***が作ったんでしょ?」
「私、プライドより命を取ります」
両者ゆずらず睨み合う。いや、片方はただの黒笑で…。
「…じゃあ、一回だけ免除にしよう」
「! 本当ですか!?助かったぁ〜」
「その代わり、俺も一回免除だからね」
「構いません!じゃ、ツナさんのターンです!」
彼は溜息混じりに、1で止まったサイコロを手に取り、ある一面を軽く叩いてから、投げた。
6。
「予想通り!ツナさんの事だから、一番大きな6を出すと思ったんです!」
(ここまでバレバレなズルに気付かないとは…)
彼のコマである消しゴムを6マス進める。そこは最初に言ったとおり<一回休み>のマス。
「はい!ツナさんは次、お休みです!」
「…このスゴロクの場合、こっちの方がラッキーマスなんじゃない?」
「むっ…そういえば」
じゃあ次は5かぁ〜なんて呟きながら、彼女も2ターン目のサイコロを振る。
2。
死んだ魚のような目をして、彼女はコマを進めた。
そして、その表情を変える事なくクジを引く。