復活
□下克上
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【下克上】
下の者が上の者に打ち勝って権力を手中にすること。
「というわけで、勝負です。ツナさん」
「ちょっと待って、話が全く読めないんだけど」
話は昨夜に遡り…
「私、本を読んでたんです」
「うん」
秋の涼しいような肌寒いような風が吹き込む教室で、一つの机に向かい合うように座り、彼女は話した。
「それで"下克上"って言葉が出てきたんです」
「うん(どういう本を読んでるんだろう…)」
苦笑いの彼を真剣な瞳で見つめ、彼女は続ける。
「私、知らないまま放置するのって嫌なんですよねー。だから、ヤ○ー辞書で調べたんです!」
「うん(何故ヤ○ー)」
「その結果が、冒頭のアレです!」
「あぁ、あのコピペ」
「コピペじゃないです!ちゃんと打ってます!
って、そうじゃなくてですね!」
だんっ、と机を叩き立ち上がる。
「私はいつも、ツナさんのパシリです。下の物なんです」
「俺は***をパシリにしたことなんてないんだけど」
「無自覚ですか、演技ですか」
彼女はハァァと盛大に溜息をついた後、背後から大きな紙を取り出してきて、
「とにかく…勝負なんです!下克上なんですから、負けた方は勝った方に一日の絶対服従を誓います!」
「別に***に負ける気はしないけど…何これ」
≪服従も大事だけど、とりあえず恥じかかせちゃいましょう!スゴロク≫
「オールナイトで作ってきました!」
「いや、そうじゃなくて、そのネーミング。と、このマス」
その変なスゴロクは<一回休み>と<罰ゲーム>で構成され、ゴールまで18マスという短いもの。ちなみに6マス目と12マス目が<一回休み>、他は<罰ゲーム>である。