Other

□Winter
2ページ/2ページ




「アンタたち、夫婦喧嘩なら外でやってくれる?」


ガタンッと音を立てて立ち上がったハルヒちゃんは、ビシと私たちを指差して言った。


「ふっ、夫婦喧嘩じゃないもん!」

「そうですね、まだ夫婦ではありませんね」

「まだって何、まだって!」


夫婦だなんて、とんでもない!

…そういう未来も悪くないかも、だけど…。


「そうですか、ではあと1年待ってくださいね」

「心を読むなぁっ!!!」



「SOS団はバカップルお断りよ!」



ポイ、という効果音が付きそうな勢いで、私と古泉は部室から追い出された。


「おや、困りましたねぇ」

「困ってる顔には見えないね」


廊下は部室よりも冷え込んでいて、身体が震え出すのが自分でも分かる。


「ねぇ、本当に寒いんだけど」


そう言っても、古泉は「おいで」と言わんばかりに腕を広げて微笑んでるだけ。


いい加減、本当に凍え死にそう。そんな事無い、って分かってるけど。

家に帰ろうにも鞄は中で、鍵かけられちゃったし。


「別に…古泉とくっつきたいとか、そんなんじゃない…から」


そう言って2,3歩近付けば、腕を伸ばして、抱き締められた。


「素直じゃないですね、俗に言うツンデレですか?」

「煩い」


(冬も悪くない、と思った)


end.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ