復活
□この世で一番怖いもの
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煙が晴れて、辺りのざわつきにも耳を傾けられるようになった。
皆が口々に私の名前を呼んでる…知っている人…?
ゆっくりと目を開けて、顔を上げる。
さっきから私を呼ぶのは貴方…?
「***さん!」
私の肩を掴み、揺らす。…うん、ちょっと苦しい。
その人は…どこか見覚えのあるような、ないような。そんな銀髪。
必死で思い出そうとしてみるけど、思い出せない。
キーワードを探そうと周りを見ると、ある人と目が合った。
「…骸、さん…?」
すごく大人びてるけど、間違いない。
相変わらずな髪型。後ろの一束だけが長いのが少し気になるが。
また他の人も見てみる。
そう思うと、皆なんだか知っている人のような気がした。
あの黄色い鳥は雲雀さんの…?じゃあ、あの人が雲雀さん。
じゃあ、目の前の人は…もしかして獄寺君?
あっ、あの人はランボ君が10年バズーカで入れ替わった時に見た…イーピンちゃんもいる…
…………ってことは……
「10年後…!?」
思わず、獄寺君の手なんて無視して立ち上がる。
そう思って見れば、皆10年後の姿なのだと理解できた。
「10年前の俺が御迷惑をおかけしているようで…」
スッと前に出て話しかけてくれたのは、10年後のランボ君。
獄寺君も立ち上がり、裾をパタパタと叩いて、
「やっぱり10年バズーカか……よりによってこんな時に…クソッ」
その舌打ちの意味を理解する前に、私は山本君に手を引かれ、
「ま、とりあえず中入れよ!いくら5分といえど、玄関っつーのもあれだろ?」
私がいた場所は、どうやら玄関だったらしい。
私たちが歩き出したとき振り返ると、獄寺君と骸さんが慌ててお話ししているのが見えた。
山本君は常に微笑んでたけど…心から笑えてるようには思えなかった。
10年経ったからといって、変わってしまうとは思えない。
話す事もなかったので、思い切って聞いてみた。
「あの…何かあったん、ですか?」
「ん、ちょっとな!あ、昔みたいにタメで良いんだぜ?」
なんだか、はぐらかされたような気がする。
けど、聞いちゃいけないって、なんとなく感じ取った。
だから、もう一つ気になった事を尋ねてみた。
「ツナ君はいないんですか?」
ピタ......
山本君は立ち止まり、俯くと辛そうに顔をしかめた。
でも、腕時計を確認すると、
「これ聞き終わる頃には5分だな」
私の方に向き直ると、いつにない真剣な表情で、言った。
「10年後のツナは…………死んだ」