満月の夜に贈る歌

□復讐の女神
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翌日、沙羅は疲れを感じさせない軽やかな足取りで登校した。



「おはよう、夏椿さん!」


「もう調子はいいみたいだね!」




教室に入ると、クラスメイトが話しかけてきた。



沙羅「おはよう、みんな!

心配かけて本当にごめんね…でもこの通り元気になったよ!
ありがとう。」



クラスメイトたちは、ホッと一安心のようだ。





しばらくすると、麻理奈が教室に入ってきた。


麻理奈「おはよう、沙羅!だいぶ顔色も良くなってるね!」



沙羅「うん、お陰様で。
健ちゃん、今日の日直なんだけど…朝のミーティング長引いてるのかなぁ…。」


麻理奈「本当、もう8時半ね…。」





いつもなら8時15分には終わるはずのクラス委員会…。
何かあったのだろうか…?









しばらくすると、健が俯きながら教室に入ってきた。


元気がない。






皆、当然心配する。




「どうした、健ちゃん?」


「元気のない健ちゃんなんて…気持ち悪い。」





クラスメイトたちは健の周りに集まる。





すると、廊下から他のクラス委員たちの啜り泣く声が








沙羅「ねぇ、本当に…


どうしたの?」



沙羅は健の顔を覗き込む。






すると健は、拳をぎゅっと握りしめ…









健「こんなこと言われて落ち着けなんてとても言えないけど…」










麻理奈「…健ちゃん?」


















健「シモン先生が…



シモン先生が解雇処分になったんだ!」







えっ…
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