満月の夜に贈る歌

□蝶の如く・・・
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終礼が終わると、沙羅は直ぐに屋上へ向かった。



沙羅「あっ、歌ってる!」


沙羅は歌の邪魔にならないようにそっと立っていた。






すごいな…歌って踊れる、まさにスーパースターね…






曲が終わると沙羅は拍手をした。



沙羅「うん!いつ聴いても歌月の歌には癒されるわ、ホントに。」



沙羅は歌月の側に寄り、はぁ…と盛大な溜め息をついた。



歌月「…どうしたんだい?あ、もしかして今日の体育って、シモン先生のダンスだった?」


歌月は苦笑いをして問う。沙羅は少し俯き、そして答えた。




沙羅「もうね、ステップも何もなっちゃいないだってさ。

学年の前で大恥だよぉ!」




もはや半泣き状態である。



沙羅「麻理奈から聞いたんだけど、歌月ってダンス上手いんでしょ!?

お願いします!
月謝取ってもいいから、私にダンス教えて!!!」



必死な沙羅を可愛そうに思った歌月は、



歌月「もちろん!
まぁ、上手いかどうかは分かんないけど、この先3年それじゃあ困るからねャ

じゃあ、早速今日教わったステップをやってみてよ。」






歌月に促されるがままに基本のステップをしてみた沙羅であったが…




歌月「う〜ん…確かにこれは酷いね(笑)」


ぐさり





さらりと人の傷口を抉る歌月に沙羅は、



沙羅「笑わないで〜(泣)」


怒る気力も無く、ただただ半べそをかくのであった。


歌月「あはは、ごめんよ。
じゃあ、僕がゆっくりやるから、よーく見ててね!」
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