満月の夜に贈る歌
□広がる輪
2ページ/12ページ
沙羅「行ってきます!」
沙羅は玄関で元気よく言った。手にはのど飴の入った手提げ袋を提げて。
母「行ってらっしゃい。気をつけてね!」
すると母の横から姉が出てきて、
姉「行ってらっしゃい!
イケメン歌月君によろしくね〜♪」
・・・バタン。
無言でドアを閉めた。
姉「ふふふ…沙羅ってば可愛い」
授業中、沙羅は姉に言われたことを思い出していた。
姉『男は絶対薄いピンクとか白とかに弱いわ!
特に歌月君みたいな子は清純派に弱いはずよ。あんたの話を聞くかぎりはだけどね。』
そう言ってピンクと白の上下の下着2種類を渡されたのだ。
絶対にあんな社会人になんかなりたくない!!!
沙羅は頭をブンブン振った。
それでピンクを選んだ私も私だけどさっ!
そうこうしているうちに授業が終わって昼休みになってしまった。
やばい、集中出来てない;
昼ご飯の前に学級委員は呼び出された。
私と学級委員を一緒にやっているのは桜井 健(さくらい けん)君。
お家は高級ホテル『Blossom』のオーナー。
当然話は合うわけないと思う。
というか、誰とも話が合わない。
早く歌月に会いたいよ…。
配布物の整理をしながら健が言った。
健「じゃあ、夏椿さんは明日の週番をたのむよ。
・・・あれ!?
歌月じゃん!!!
どうしたの?」
振り返ると私の後ろには歌月がいた。