満月の夜に贈る歌
□踊れ、優しい娘よ!(下)
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正装をした沙羅と暁がドアを開くと、そこには既に殆んどの生徒が正装姿で集まっていた。
わぁ…みんなすごいな…。豪華絢爛。
沙羅は周りをキョロキョロと見回した。
暁「夏椿、先ずはワルツ組の列に並ぶぞ!」
暁は至って平静に沙羅をエスコートするのだった。
そっか…私以外の人は殆んどエスカレーションで小学校から上がってるから、みんな慣れてるんだ…。
沙羅が少し俯いているのに気づくと暁は…
暁「大丈夫。直ぐに慣れるさ。
あぁ、あと、舞踏会の時はなるべく蝶野の近くに行くといい(笑)」
とニヤリと笑って言った。
かぁぁっ///
沙羅は再びゆでダコになった。
沙羅「もうっ、何言ってるんですか、先輩!!」
ムキになる沙羅に、暁はニコッと笑った。
「何かお飲み物はいかがですか?」
ウェイターらしき人がプレートの上にジュースを乗せて2人の所へやってきた。
暁「オレ、リンゴジュースにする。
夏椿は?」
沙羅「…うーん( ̄〜 ̄;)
じゃあ、ブドウジュースにします。」
ここまで本格的とは思わなかった…
数分後、学園長と体育科主任の挨拶が終わり、いよいよ開幕となった。
この学園での種目は、
・ワルツ
・タンゴ
・サンバ
・ルンバ
その4種目から1つを生徒達が選択し、部門ごとそれぞれの小ホールに5ペアずつ躍らせ、審査員の先生が得点をつける。
そして、最後に部門別に順位を発表され、そのままこの大ホールにて全員参加の舞踏会が開かれる。
暁・沙羅ペアはワルツ。 健・麻理奈ペアはタンゴ。
といった具合である。
ちなみに、
歌月・姫華ペアはワルツ。