満月の夜に贈る歌

□蝶の如く・・・
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ある日の昼休み。


空からは明るい日差しが降り注ぎ、バラたちが美しく咲き誇る中、沙羅たちはいつものようにガーデンで昼食をとっていた。




沙羅「みんなと友達になって、そろそろ2週間だね。」


お茶を飲みながら沙羅が言った。



麻理奈「そうだね、早いもんだわ。

どう?だいぶ学校には慣れてきたように思うけど。」





学校生活のことを気にしてくれるなんて……


そんな麻理奈の優しさに感激する沙羅なのであった。



沙羅「うん!慣れてきた。始めは広すぎて何処に行けばいいか分かんなかったけど、3人共色んなとこに連れていってくれるから、だいぶ覚えてきたよ!」




沙羅はにっこり笑うと3人に「ありがとう」と礼を言った。





沙羅「そういえば、この学校って体育祭とかないの?」





確かに、普通の学校であれば開催される行事だ。
しかし、沙羅が見る限り年間予定表にもなければ、生徒たちの話題にもならない。




歌月「ああ、この学校には小学校の時からだけど体育祭の代わりに、毎年6月上旬に『社交ダンス大会』があるんだよ。」


えっ…?


健「小・中・高は別だけど、全員強制参加でね。」











なんだそりゃ〜!!!



沙羅が声にならない叫びを上げていると、






キーン コーン
   カーン コーン・・





昼休み終了のチャイムが鳴った。




麻理奈「大変!次の時間って体育じゃない!
ほら、健ちゃん、沙羅、急がなきゃ!」



4人は走り出した。



歌月「クスっ。大変だなぁ、麻理奈も。」





まるで2児の母のような麻理奈を見て歌月が言った。




麻理奈「えへへ、沙羅はまだいいんだけどね。
健ちゃんはいくつになっても世話が焼けるのよ。」



ムカッ






健「はぁ!?
それは昔の話だろ。今オレは学級委員!
むしろお前らの世話をしてるの!


ってか、沙羅こそ麻理奈のおっちょこちょい振りには委員として嘆かわしく思ってそうだよな〜(笑)」


健は「あはは」とわざとらしく笑ってみせた。

すると麻理奈はボソリと言った。



麻理奈「健ちゃんはカヅ君を見習うべきよね。」







沙羅「・・・・・・・;」

歌月「・・・・・・・;」

健「・・・・・・・・あの、怒ってる?」





女子更衣室の前についた時、




麻理奈「ううん!全然。怒ってなんかないわよ。」



にっこり笑って見せると沙羅を連れて更衣室の中に入り、ドアを閉めた。






歌月「健、麻理奈を侮るべきじゃないよ。」


そう言って歌月は教室に戻って行った。





健「・・・ま、いっか。」



そして健は男子更衣室に入った。
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