Novel
□The Cinderella who lost a voice
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アナタと過した1年間はとても幸せなものだった
まるで、12時の鐘が鳴る前の魔法の時間みたいで
夢の様だった
「行ってくるね」って軽く挨拶をして消えて行ったアナタは今何処にいるの?
鐘が鳴ったら全て元に戻ってしまうのに…
カボチャの馬車もアナタがいなければただのカボチャでしかないわ
「すぐに戻るから」アナタがそう言ってからもうすぐ3年と6ヶ月になる
何処にいるの?
何をしているの?
雲に尋ねても教えてはくれない
小鳥に聞いても首を横に振るだけ
あぁ…何故アナタは私の前からいなくなってしまったの?
アナタの家を幾度訪ねても、返ってくることのない返事
小さな机の上にあった一握りの花の種
名も知らない花の花言葉は"再会"
アナタは再び会えると知っているのでしょうか?
アナタのその碧い瞳には私はどの様に映っているのでしょう
その碧い瞳には未来まで見えると教えてくれたアナタには今、どんな未来が見えていますか?
ベッドの上の枕を濡らして眠りにつく毎日
アナタが私の涙を拭ってくれた日は遠い昔の話…
覚えていますか?
私と初めて言葉を交わした時のことを…
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