イナズマ
□円立
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練習中立向居は円堂を見つめていた。じいっと見つめていた。それはもう穴が空きそうなくらいじいっと。
「円堂さん...。素敵です!」
立向居の目はキラキラキラと輝いている。
「おーい立向居!ボールいったぞぉ!」
ひゅうんっと向こうのほうからサッカーボールが飛んでくる。
そしてみごとにに立向居の顔面へとはいった。
「ぶっ!!いっててて。」
「おい立向居大丈夫か!!」
あわてて風丸がかけよってきた。
ぶったせいで顔を赤くさせながら立向居は恥ずかしそうに笑った。
「すいません。」
「練習中によそ見してちゃダメだろ。危ないじゃないか。」
そして座ったままの立向居に手を差し出した。
その言葉に立向居はさっきとは別の意味で顔を赤らめる。
さっきまで立向居が熱心にみていた方に目をやる。
するとそこにはシュートの練習に励む円堂がいた。まったく、そういうことか。
困ったものだと思いながらもしかたがないなと思って思わず微笑まずにはいられなかった。
「円堂もいいが、練習には集中しないといけないぞ。」
「あっううっすみません・・・。」
円堂を見ていたのがばれたのがよほどはづかしかったのか、立向居はぷしゅう、と音を立てて真っ赤になった。
「おーい、たちむかーい!ゴールキーパーやってくれよー!」
むこうのほうから明るい声がかかった。
「ほら、立向居。およびだぞ、よかったな。」
「はっはいっっ!!風丸先輩、ちょっといってきます!!」
そして失礼します、と礼儀正しく一礼してから走り去った。
「しょうがないやつ。」
大好きな円堂によばれ、えんどーさーんと叫びながら超特急でかけていく立向居の姿を見て風丸はそうつぶやいた。
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