イナズマ
□俺達の始まり。
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一年の教室についてすぐ目的の彼を見つけた。
ワンコのようだと常から思う。俺に気づくとすぐに元気よく挨拶をしてきた。可愛い子だ。
にこっと俺は彼に笑いかけた。
「で、昨日の告白はどうだったの?立向居。」
彼の表情は笑顔から一変目を見開き驚愕の表情へと変わる。
「ヒロト先輩・・・。気づいて・・・。」
ふふっこの絶句した顔。
たまんないなぁ。
「円堂くんを心配して追いかけていったのは何もきみだけじゃない。」
「なんでなにも言わなかったんですか!」
「面白ろそうだったからかな。」
そう、単純にそう思ったんだ。まぁ他にも理由はあるんだけど。
「面白そう?」
「そうだよ。それに君は僕のこと好きっていってたし。」
とたんに彼の顔がかぁっと赤くなった。
ほんと、可愛い。
「あのっそれは!!」
彼はわたわたと焦りはじめた。
「何?嘘なの?」
「いっいやっ嘘じゃないです!!ヒロト先輩のことはほんとに好きでって、でも俺円堂さんも好きで。」
「ほんとに?ただ僕と対立しないためのうそじゃないの?」
「嘘なんかじゃないです!ほんとにヒロト先輩のことかっこよくて、尊敬してて好きです!」
真っ赤になりながらも一生懸命にいう彼はほんとにいい。だから、俺は君のことも・・・。まぁそれは別にしてここではいそうですか、と優しくしてあげる気にはならなかった。
「そう。でも、信用できないなあ。」
「そっそんなっ!!」
泣きそう。もっともっと困って欲しい。
「証拠にキスして見せて?」
にっこりと微笑んで彼に告げる。さあ、どうなるかな?怒る?泣く?困る?それとも...
じっとうつむいて動かなくなってしまった彼を見ていると楽しくてしょうがない。
「・・・れば。」
とても小さな声で彼がなにか言った。
「そうすれば、信じてくれますか?」
顔を上げた彼の顔は真っ赤なままで必死だった。
うん、期待通り。
「好きなら、証明してみせて?」
こくびをかしげて彼をみやる。
ちゅっ
そのとたんに彼がキスを仕掛けてきた。
ぎゅっとつむっていた目を開けて顔を上げた彼と目が合う。
その目は答えを求めていた。
「信じて、くれましたか?」
まったく、そんなに不安そうにしてたらまたいじめたくなるじゃないか。
「まぁ、及第点ってとこかな?」
その言葉をきいて彼は嬉しそうにな顔になる。
そんな彼に様々な感情を抱きながら、昨日までの円堂くんと二人だけの甘い生活にさよならを告げた。