おもちゃ箱
□管理人の駄作置き場・4(WEB拍手)
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「Living room」
大きな窓から、優しい日が差し込む。
部屋の電気をつけなくても、十分明るい。
友人が来た時も、自分の部屋に行かず、ここで過ごす。
自分の部屋にいる事が本当に少ない。
今日は、2人一緒の休日。
成瀬も和希も、本当に安心したように、顔がほころんでいる。
何か話す訳でもなく、何か用事がある訳でもなく、ただ2人はこの部屋で過ごす。
広いソファの上、2人はほんの少しだけ肩が触れ合う所に座って。
和希は新聞を読み、成瀬は雑誌を読んでいる。
前にあるテーブルには、もう湯気も消えた珈琲カップが2つ。
小さな器には、成瀬が焼いたクッキーが1枚。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
和希は、ふと時計を見る。
昼の2時半。
「もうこんな時間か・・・」
和希は、小さくあくびをした。
珈琲でも淹れようかと、立ち上がろうとした時、肩の重みに気付いた。
成瀬の頭が和希の肩に乗っかって、すぅすぅと寝息を立てている。
今週は試合が続けてあったから。
和希は珈琲を淹れるのを止めて、自分も目を閉じる。
一緒に昼寝をしてしまおう。
柔らかな日差し、優しい空気、愛しい人の安心した寝息。
贅沢な、午後。
おわり