PH

□top secret
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俺は、間違っているのかもしれない。
あの、へたれな従者が、好きなのだから。



top secret




ある日、俺は深刻そうな顔をしたギルに「自分の部屋で待っていろ」と言われた。
あの顔は、すごく重要な話があるのだろう。俺は覚悟を決めた。
「オズ…………」
「あ、ギル。」
部屋にギルが入る。それと同時に、部屋の空気は重くなる。
「何か話、あるんじゃないの?」
「あぁ…………」
ギルはベッドに腰掛け、コートを脱いでいく。
「………?この部屋暑い?」
「いや、そうじゃない。」
コートはギルの横にきちんと折り畳まれて置かれる。ん?じゃあ何で脱ぐのさ。
そしてギルの手は、白いシャツのボタンへ。
「って、え、ちょ、どうしたの!?」
「話をするのに必要なんだ。待ってろ。」
いや、でも、これでもギルのことが好きなんだし、あの、脱がれるとちょっと……
そしてシャツもなくなり、露になったギルの上半身。
「…………さらし?」
胸にはさらしが巻いてあった。しかし驚くところはそこではない。
「……………えええ?」
ありえない。本気と書いてマジでありえない。
「…………見ての通りだと思うが、あの、その………」
ギルはすごく言いにくそうな顔をした後、うつむく。
「俺は、実は…………女なんだ。」
フリーズすること約3分(ぐらいだったと思う)。……………はい?
「え、そんな、嘘でしょ?」
「どう言っても信じないのならさらしでも何でも取って証明するが」
「ちょ、それはやめて!本当にそれだけは!信じる!信じるから服着て!」
さらしで隠しても、その存在をはっきり主張するそれ。コートを着たらばれない程度だろう。
気まずい雰囲気。
「…………そういうこと、だからっ」
いつの間にか服を着終わったギルは逃げるように部屋を去っていった。
そして残された俺は。
「……………うそ、だろ?」
顔を真っ赤にさせ、そう呟くしかなかった。




→あとがき
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