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□カフェregaloへようこそ!
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ここはカフェregalo。

茶色と黒を基調とした店構えは、シックながらも気軽に入りやすい雰囲気だ。ペチュニア、マーガレットにブルースターなど色とりどりの花が長方形や円形のプランターに植えられており、オススメメニューが立て掛けられている漆黒に塗られたイーゼルには蔦がからめられている。


そこの店員は二人。紅茶コーディネーターとバリスタの資格を持つヨハンと、料理を担当している十代だ。

清楚な白いシャツにタイを結び、黒いノースリーブのベストを合わせ、そして腰には同じく黒く長いカフェエプロンを着用している。


カランコロンとベルが鳴り来客を報せた。


「いらっしゃいませ」と十代がカウンターから笑顔と共に告げればおずおずと入ってくる。

最近、というか昨日オープンしたばかりのこの喫茶は宣伝はあまりしていない。店の周辺でビラ配りを少ししたくらいだ。


カウンターに座ったセミロングでブラウンの女性にメニューを手渡す。アンティーク調の赤い布のような物で覆われたファイルに入れられているそれ。パラリと開くと女性から微かに感嘆の声が漏れた。


「凄いでしょ、紅茶とコーヒーの種類」
「本当に。紅茶がいいなって思うけど、どれがいいか決められないです」


どのような味が好みですか?と丁度ケーキを運び終えたヨハンが女性の隣に立っていた。


「えっと……。渋みが少なくて甘味があるやつが良いんですけど……。」
「では、“ケニア”という紅茶は如何でしょうか」
「ケニア?」
「はい。その名の通りケニアが産地の紅茶です。イギリスではとても馴染み深いお茶なんですよ。お客様の仰る渋みもありませんし、甘味があります。紅茶の独特の渋みは好みが別れますからね。いかがでしょうか?」


すらすらと紅茶の説明をするヨハン。くそぅ猫被り全開め。ふわりと笑むと……ほらみろ、お客様の頬が微かに赤らんでる。


「そ、それをお願いします」
「今日は暖かいのでアイスティをお勧めしますが、ホットとアイス、どちらに致しますか?」
「あ、ならアイスティで」


ヨハンにばかりいい格好をさせるか、と密かな対抗心を抱いた俺はカウンターから再び声をかける。


「一緒にスイーツはいかがですか? この紅茶にはこちらのワッフルと相性がいいですよ」


メニューを捲りながら説明をする。ヨハン程じゃないが、一応相性のいい菓子くらいは知っている。コクがある紅茶にはバターを使ったお菓子、渋みがあるものには生クリームを使ったお菓子が相性がいい。


「うわ、凄く美味しそう」


焼き菓子は得意なんだ。基本焼くだけだからさ。


「じゃあ、このフルーツワッフルで」
「かしこまりました」


紅茶はヨハン担当だから任せ、俺はワッフルメーカーに生地を流し入れる。

焼き上がるまでにフルーツを切る。オレンジはくし切りにして食べやすいように端に切り込みを入れておく。リンゴは可愛らしく兎に。パイナップルは扇型、バナナは円と半円に。イチゴとブルーベリー、ラズベリーはそのまま。焼き上がったワッフルにそれらをバランス良く並べ、最後にホイップクリームとミントを添える。


「お待たせ致しました、ケニアでございます」


ワッフルが出来る少し前、先に紅茶を淹れたヨハンが女性客の横に立ち給仕をする。

コクリと一口。


「うわぁ店員さんの言う通り、渋みも少なくて美味しいです!!」
「それは良かった。では、ごゆっくり」


うっとりとする女性客。


「前から失礼します。こちらフルーツワッフルでございます」


色とりどりのフルーツを盛った大皿をコトリと置く。

「甘くて良い香り!! うっとりしちゃう。早速……」


パクンと頬張る。するとぱぁぁと目を輝かせて嬉しそうな顔をした。


「お気に召していただけたようで」
「はいっ!! 外はサクサクなのに中はフワッとしてるし、甘さも全然しつこくなくて、それぞれのフルーツとも良く合っていて!! 凄く美味しいし、」


紅茶を口に含む。


「紅茶とも相性が良いです」
「それは良かった」


女性客はそれからムグムクと真剣に2つを食べ、数分後にはお皿は綺麗になっていた。


「凄く美味しかったです! また絶対に来ますね!!」


笑顔と共に告げられたその一言がとても嬉しい。料理は人を優しい気持ちにしてくれる、素晴らしいものだ。自分の力で人を喜ばせることが出来るのはなんて素敵な事なのだろう。







□■□■
何となく続きます。次からはギャグを目指していこうと思ってます。

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