GX

□愛育
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目を覚ますとそこはヨハンの部屋だった。どのくらい眠っていたのだろうか。夕方はとっくに過ぎていて月の光だけが室内を照らしている。気のせいだろうか、いつもより目線が低いのは。状況を確認しようにも体が全く動かない。正面しか見ることが出来ないのだ。

ぎぃ、と扉が開く音がした。幸いにも扉の方に向いているため誰が入ってきたのかは確認が出来た。それを見た瞬間、一気に頭に血が昇る。



「ヨハン、お前何をした!?」


どこからかスッと手鏡を出してきて俺の前へ置いた。そこに映っていたのは先程プレゼントと称し受け取った人形の姿。


「十代の魂を人形に閉じ込めたんだ!!」


体を大袈裟に反らし高らかに笑うヨハン。月明かりで青白く光り、恐怖する。


「これで十代は永遠に俺のもの……。誰にも渡さないッ!! 誰にもッッッ!!!!」



その日からおれはヨハンという名の狂気に捕まってしまった。


小さくて大きな箱庭で今日もまた外に焦がれては涙を流す。



    
      
       

      
         
  







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