GX

□make a wish
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「じゅーうーだいっ!!」


ノックのひとつもせずに思い切りレッド寮のドアを開ける、俺の…恋人。ほら、蝶番がギィギィいってんぞ壊したら弁償お前がしろよな。


「なんだよ、ヨハン。俺忙しいんですけど」


暑さとこの時期恒例の例のブツのお陰でイライラはマックスだ。そこにこのハイテンションと来た。


「じ、十代が冷たい…」


メソメソ、シクシクと泣き真似までする始末だ。うん、ごめんなヨハン、マジで腹立ってきたよ…。あのな、と声をかけようとした瞬間に思っても見なかった提案を持ち出される。


「せっかく夏休みの課題、手伝ってやろうと思ったのに。しかもクーラー完備の俺の部屋で」


そう言って開け放たれたままのドアへと踵を返しかけた。

「ままま、待ってくれ!ヨハン悪かった、悪かったから手伝ってくれーっ!!」


うむ、素直で宜しいとでも言わんばかりに胸を張る。この時俺は知らなかったのだ。影でひっそりと動いていたプロジェクトに。








「だーから、ここにこれを代入して……」

「おー…こうか?で……こうなるから…っ!!」



課題が終わったのは日が西に沈みかけた頃だった。


「ヨハンまじありがとう!!俺ひとりだったらこんな速く終わんなかった!!」

「感謝しろよこのヨハン様に」


ジャイアンデルセンめ…と思いつつも事実なのでひっそりと胸にしまった。


さて、寮に帰るかなと呟いた時のことだ。ヨハンのPDAから電子音が鳴り響いたのだ。


サッと確認し返信を送る。


「何だったんだ?」

「え?ああ何でもないんだ。気にしないでくれ」


ふぅん、と大して気にするようでもなく立ち上がる。


「じゃあ俺帰るわ」

「ああ気を付けろよ」



何時もなら此方がどんなに拒もうと送る送ると煩いのに今日はどうしたことかあっさりと解放された。


扉が完璧にしまる前にニヤリとヨハンが笑った気がしたんだけど気のせいか…?

赤く染まった中をひとりで歩く。隣にヨハンがいないってだけですごく…寂しい。寮までの道ってこんなに長かったっけ?






「プロジェクトJH11ミッション1完了、目的は現在帰宅中」

「ラジャー、こちらも準備完了っス」

「ラストミッション開始、此方もミッション3が終了次第至急そちらへ向かう」





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