GX

□Merry Christmas
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「メリークリスマス、覇王!」


二人きりのレッド寮の一室。小さな折りたたみ式のテーブルの上に並べられた料理の数々。向かい合って座る俺こと覇王と十代。


「メリークリスマス。しかしこの料理はどこから調達してきたのだ?」


うーん…と首を傾げながら答える十代。


「俺が翔や明日香達に『覇王と一緒にクリスマスパーティーしたいんだけど、どこで買えばいいんだ?』て聞いたのな。そしたら今日くれた」


成る程な。嫉妬に顔を歪めながらも、十代のために料理を作る奴らの顔が浮かぶ。


「そうか。しかし何故クリスマスパーティーをしようなどと考えたのだ。クリスマスとはキリストの誕生日を祝う日だろう?俺らにはあまり関係が無いと思うのだが」


「俺は覇王と違って難しいこと分かんないけどさ、世間一般では恋人達にとって大切な日だろう?だから俺も覇王と一緒になんかしたかったんだ!」


ニコッと純粋な笑みを浮かべる十代。それにつられて俺も微かに微笑む。

「あ、覇王が笑ってる。かわいい」

「五月蝿い。可愛いのは十代だ。」


そんな事ないぜ、と笑う十代。俺にはその笑顔が眩しいのだ。それと同時に愛しくてしようがない。だから守りたいのだ。


十代がスッとシャンメリーの入ったグラスを掲げる。俺もそれに倣う。

カチンと鳴るグラスの音。



「「Merry Christmas」」








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