短編集

□シカマルハピバ夢2011
1ページ/1ページ


「…よう」

(抹茶あずき様画)

え?シカマル?

日付が変わろうとしている深夜。

突然。
目の前に現れた彼に私は驚いた。
今日は会えないんじゃなかったの?

「あんだよ?変な顔しやがって」
「だって…」

口ごもり。
立ち尽くす私の前で彼は。

「来ちゃ悪かったか?」

言いながらくわえ煙草を指先でつまみ、携帯灰皿の中で揉み消した。

「そ、そんな事ある訳ないじゃない!!」

ただ今日は、バイトがメチャクチャ忙しい言ってたから。
だからあきらめてたのになんで?って思っただけ。

それをうまく伝えられず。

口をぱくぱくさせたら、つんと額をつつかれた。

「馬ー鹿」

そして、いきなり馬鹿呼ばわりされて。

「ば、ばかぁ!?」

つい頬を膨らませたら。

「馬鹿に馬鹿言って何が悪いんだよ?」

素っ気ない台詞と裏腹。
優しく両手で顔を包まれ、どきんっ。
シ、シカマル?

「……」
「……」

じいっ、と。
無言で見つめられ無言で見つめ返す。

「……」
「……」

恥ずかしくて溶けちゃいそう。
耐えきれなくなり、私はしどろもどろ尋ねた。

「……あ、あのっ、バ、バ、バイトは?」

すると、クッ。
彼の喉が鳴って。

「オマエに会いたくて急いで終わらせたんだよ」

シカマルはそう言って、コツンと額を合わせてきた。

「だからプレゼントくれ」
「プレ、プレゼント!?」

あ、うん、モチロン用意してあるよ?
大好きなあなたの誕生日だもの。

「あの、じゃあ取ってくる…」

!!!

けれど言い終える前に。
逃げ出す前にキス。

『きゃあああ』と。
声にさえならない叫びを心で上げたら、シカマルは少しだけ唇を離して。

「…オマエってマジ馬鹿だな?取りに行かなくたってココにあんだろ」

そう言ってから。
彼はゆっくり、キスの続きに取り掛かった。



HAPPY BIRTH DAY
SHIKAMARU
2011.9.22!!




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ