創造なる語

□ある日、虎の子を拾いました。
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『わっ、ちょ!どきなさいっ!』


抱き抱え下に降ろしてもまた膝の上にのって来る。
・・・帰る気は毛頭ないらしい。


『はぁ・・・うち来る?』


そう言うと虎は喜ぶようにニャーと鳴く。
虎なのに猫みたいに鳴くってへんなのー・・・と呟くと抱き抱えて歩き出した。














『っつーことなんですけどー・・・大将駄目ですかね?』


屋敷に戻り大将・・・武田信玄に取り合う。
すると大将は一瞬遅れてかっかっかっと笑い出した。
大将の笑い声にビクッと体を震わす虎を俺様は宥める。


『佐助が虎の童を拾ってくるとはのぅ・・・珍しいこともあるものだ・・・』
『俺様も少々驚いてます・・・』


『・・・まぁ、よかろう。佐助。世話抜かりないようするのだぞ?』



嬉しかったからか俺様は微かに微笑んだらしい・・・
それを見た大将はふっと笑った。
はーいと言うと俺様は小さな虎を連れて部屋を出た。



『・・・で、お前なんて名前なの?』


自室に戻り俺様は虎をおろすと喋るはずのないとらに聞いてみた。
すると自分の名前を喋ったのかニャーと一声鳴いた。
勿論虎語なんかわからない俺様なんで替わりに鼻の先を人差し指でつんっと突いてみた。するとビクッとビビる虎。


かわいー・・・


とか思っているのは秘密。
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