創造なる語
□紅翠黒
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そこには真田幸村が二人居た。
『・・・何故朝早く俺までここに来なきゃいけぬのだ・・・』
『某が二人おるのだ!佐助に報告するに決まっておろう♪』
『お主は呑気でござる。』
顔立ちも身長も声も、幸村本人だった。
ただ来ている服の色が赤色と黒色だという違いなだけ。
恐らく赤色の服を着用しているのがいつもの幸村だ。
それは確信できる。
じゃあこっちの黒いのは一体ダレなのか。
『アンタ誰?』
黒いほうに向けた佐助の第一声はそれだった。
真田幸村という人物は一人だけしか居ない。
二人居たらおかしすぎる。
『・・・何を申しておる佐助。俺は真田源次郎幸村でござる。』
『そうでござる!こっちの某も、某も幸村でござるよ!』
『あー・・・ぅん。』
今の二人に言ったところで意味がないことに一瞬泣けた・・・