絶望部屋 壱


□死のうとするその瞬間には僕を呼んで。
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首を吊ってばかりだった先生がリストカットをした。
薬物中毒の気配には気付いてたけど、限度は越えてないから口を出さずにいた。
それでも先生は身体を痛め続ける。
そして、とうとうリスカをした。
今、望先生は命先生の病院で横たわっている。
出血がひどかったのか、元々白い顔が青ざめている。
直視できなくて目を逸らした。

「先生、次に死にたくなったら言ってください」
「とめてもやめませんよ」
「とめません。僕が殺してあげます。その後に僕も死にます」
「貴方は何を言い出すんですか……」
「本気です」

僕の知らないところで死なれたくない。
だから貴方の命尽きる前に僕を呼んで。
貴方の命を繋ぐことできないのなら、せめて僕は貴方の命に終止符をうちたい。







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