手向けの花

□第一章:海に浮かぶ魂
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昭和二十年の八月十五日―――その前日に日本はポツダム宣言を受け入れ、降伏。十五年以上続いた第二次世界大戦は終わりを告げた。

その旨(むね)は、現人神(あらひとがみ)である天皇自らが表舞台に立ち、臣民である国民達に伝える『玉音放送(ぎょくおんほうそう)』という稀に見ぬ形で広く知らされたが、その“真の意味”を知る事が出来た者はごく僅か。

大抵の者は、意味を悟り、泣き崩れる老人達に聞いて回ったという。
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