バレンタイン企画
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『欲しいモノ』
「犬夜叉。」
「なんでぃ弥勒。
何でそんなににやけてんだよ。」
依頼人からがっぽり謝礼を貰った帰り道、弥勒が爽やかな笑みを浮かべてきた。
「にやけているとは失敬ですな。
せっかく、お前に良い事を教えてやろうとしているのですよ?」
「……何だよ、良い事って?」
「それはな…」
・
・
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「かっ…かごめっ…」
「あっ犬夜叉お帰り〜……………どうしたの、顔真っ赤だよ?」
振り返って、帰ってきた犬夜叉を見ると、真っ赤な顔をして挙動不審に動いていた。
「いや……あの…」
「…何?」
「………これ、やる。」
「え…?」
犬夜叉から差し出されたのは小さな白い花だった。
よほど犬夜叉が緊張していたのか、茎の部分が柔らかくなっている。
「あ…ありがとうっ!!」
「お…おう。」
犬夜叉からの突然のプレゼントにかごめは素直に喜んだ。
かごめの反応を見て、犬夜叉も照れ臭そうに鼻をかいた。
「…だけど、どーしたのー?
急にお花くれるなんて。」
「弥勒が…その…今日はかごめの国では、何だ…“ばれんたいんでー”ってヤツだから、何か贈り物したらどうだ…って言われた。」
「弥勒様ったら。
……珊瑚ちゃんにいつもいつも心配ばかりかけてるから、今日は優しくしてあげてっていう事で、“バレンタイン”を教えたの。
珊瑚ちゃんにも“バレンタイン”は教えてあるから、今日は一段と仲良く過ごせそうね〜。」
かごめは2人を想像し嬉しそうに笑った。
「…でも、犬夜叉から“逆チョコ”もらえるなんて予想してなかったわ。
あっちでは、女の子から男の子にあげるのが主流だったんだけど、ここ数年、逆も多かったのよね〜。
なんだか嬉しいなぁ!」
「なんでぃ、普通は女が男に“ちょこ”とかなんとかを贈る日なんか?」
「別に、男の子からだって良いのよっ。
ここには、チョコは無いし、犬夜叉、チョコ食べられないし…。
だから、今日の夕食は犬夜叉の好きな物作ろうと思ってたの!
犬夜叉、何食べたい?」
「…………何でもいーのか?」
「良いけど………あ、でも、あんまり高級なのは駄目よ〜。」
「………」
犬夜叉は黙り込み、かごめの表情を伺っていた。
「…何?
…少しなら……少ーしなら、高級でも、ちょっとは……許す…わよ?」
犬夜叉の視線に居たたまれなくなり、かごめは視線を反らした。
「……決めた。」
「何?」
犬夜叉はかごめに手を振り近づくように合図した。
「え…何…?」
かごめは不思議に思いながらも素直に従い、犬夜叉の隣に座ろうとした……が、犬夜叉に手を引かれ、犬夜叉に包まれる形で膝の上に座らされた。
「犬夜叉…?
どうしたの?」
「………が良い。」
「っっ////」
犬夜叉に耳元で囁かれ、かごめは真っ赤になって、身を縮めた。
「………駄目か?」
「…………………駄目///」
「………本当に駄目か?」
「…………………う…ん///」
「……じゃあ、無理には言わねーよ。」
「…っっ!!
……………………………………………………今日は“バレンタイン”だからなんだからねっ………特別なんだからっ///」
かごめは耳まで真っ赤に染め、自分の膝を抱えて蹲った。
「…じゃあ早速…」
「いただきます」
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「犬夜叉からの逆チョコ」
という設定で……まぁ、チョコではありませんが(笑)
またしても無駄に長くなってしまった……そんでもってキャラ大崩壊(汗)
犬夜叉がかごめちゃんに何と囁いたのかは、読んで下さった貴方様の想像にお任せいたします(r-_-)r
文もイラストもフリー配布ですので、
よろしければお持ち帰り下さいませ<(_ _*)>
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