捧げ物

□君とこの場所で
2ページ/5ページ



「私…ね。この御神木の前に来ると素直になれるの…。」


かごめは目線を御神木から犬夜叉に移しながら頬笑んだ。





「ここで犬夜叉と出会って………喧嘩して………仲直りして………色んな事、思い出さない?」


「あぁ。」


犬夜叉は優しくかごめを見つめた。





「犬夜叉、すっごーく安らかな顔して寝て…て……それなのに、犬夜叉、目覚めてからは、全っ然笑わなくて、いつも不機嫌で…私、封印されたままにして欲しかったのかな…って思った…。」


「何言ってんだよ。
封印されてる時は、ただ…何か夢の中に居た気がすっけど………今、思えば、オレはかごめを待ってたんだと思うぞ?」


かごめの微笑みに含まれる悲しみを取りたくて、犬夜叉はかごめを腕の中に引き込んだ。





「犬夜叉……ありがと。
私も今はそんなこと思ってないよ。
私だって、井戸がこの時代に繋がってたのも、私が生まれてきたことも、全部、犬夜叉に会うためだって思ってるから…。」

「そうだ…オレだって、かごめに会うために生まれてきたんだ…。」


犬夜叉は抱き締めた腕の力を強めた。




「犬夜叉…。
私、井戸が繋がらなかった3年間、ずっとこの木を見つめてたんだ……だって、この木は未来と今をずーっと繋げてるんだよっ…そう思ったら、離れてても、犬夜叉と繋がってる気がして…。」

「オレ…も……ずっと、井戸と御神木の前を行き来してた………3日に1度は必ず…な。」

犬夜叉は紅く染まった顔を見られないように顔を上げた。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ