短文ログ

たぎる想いを連ねたログです。
◆「途切れたロゴス」2 幻水 

レオナと話しているのは、誰あろうここの軍主だ。
こんなところで、も何も、彼もこの城に住んでいるのだし、レオナはパーティを組む際に、呼びかけ役となっているから、彼らが話していることは少なくない。
けれど、今はそろそろ夜もふけようかという時刻である、出かけるにも遅い。彼が食事を酒場でとっているところなど見たことがないし、その幼い姿は酒場には少し浮いて見えた。
フリックもその姿を見て、わずかに首を傾げている。
ティトはビクトールの呼びかけに気付き、手を挙げた。レオナに2、3言告げてから、ビクトールたちのテーブルに歩み寄る。
「こんばんは」
「ああ」
「どうしたんだ、こんなところで?出かけるのか?」
ビクトールの問いかけを繰り返したのはフリックだ。
いぶかしむ2人に、ティトは苦笑しつつ首を振った。
「いえ、業務連絡にきただけです。昼間頼まれてたのを忘れてて」
「そうか」
「お二人はお食事ですか?」
言いながら、ビクトールのグラスに目を落とす。
ティトの目線に気付いたビクトールはにやりと笑いながら、おう、と頷いた。
「これがなくちゃはじまらねぇ。
お前も飲むか?」
冗談混じりに杯を差し出せば、フリックが顔をしかめる。
おい、と窘められたが、そんなことでビクトールが引くわけがない。
「ティトだって、興味あるだろうし、少しくらいいいじゃねぇか」
舐める程度だと笑うビクトールに、ティトはきょとんと首をかしげた。
「いいんですか?」
「おう、飲んでみるか?」
杯を差し出すと、ティトは手を伸ばした。
そうして、その手はビクトールの杯を素通りし、机にあった瓶をひっつかんだ。
「あ?」
予想外のことに、思わずその動作を見送ってしまう。
映像はコマ送りで進み、酒瓶は当たり前のようにティトの口に運ばれ、ティトは瓶から直接酒をあおった。
ごくりごくりと、上下する喉頭をあんぐりと見つめる。
ひとしきり飲み終えたティトが瓶を置くころには、中身は3分の1程度まで減っていた。
「へぇ、こんな味がするんだ…こういう酒ははじめて飲んだな」
まるで独りごちるような呟きを聞き、ようやくビクトールとフリックの2人は我に返った。

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下の続き。とりあえずはここまでで。
…おかしい、短文のはずなのに…
蛇足が多すぎるんだと…

タイトルは「Aコース」様から。

2011/01/18(Tue) 00:10 

◆「途切れたロゴス」幻水 

ざわめく店内、独特のにおい。
慣れない者は入っただけで顔をしかめるだろう。が、ここでの一杯を楽しみに日々仕事に勤しむ人間も少なくない。
酒場とはそういう場所で、ビクトールとはもちろん後者に属する人間だった。

「あー、うめぇ!」
とりあえず一杯、を一気に空にして、ビクトールは唸った。
今日も今日とて酒がうまい。五体に染みわたっていくような液体がとても心地よかった。
叩きつけるように杯を机に置くと、じろりと正面の相棒が睨みつけてくる。
「揺らすな。酒がこぼれるだろうが」
「細かいこと気にすんなよフリック、またつげばいいだろうが」
ほら、ついでやるよとばかりに瓶を掲げれば、気が早いと軽く払われた。ビクトールは肩をすくめ、仕方なく、空になった自身のコップに酒を注ぐ。赤色の液体は重力に逆らうことなく、落下していった。

こうした酒盛りは毎夜のことで、大方は相棒と2人であるが、時にここにハンフリーやアマダ、リキマルが加わったりする。
ビクトールにとって、食事をすることと酒を飲むことに、大きな差はない。さすがに昼間から飲んだくれたりはしないが、夜ともなれば酒があって当然、酒場こそ我が部屋とばかりに足が向く。
そのため、ビクトール自身の行動に大きな変化があったわけではないのだが、今日は珍しい姿を見かけた。
ビクトールは思わず声を上げる。

「おい、ティトじゃねぇか!どうしたこんなところで」

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途中

2011/01/18(Tue) 00:09 

◆「割れ物注意」幻水 

「明日の予定は以上です。何か質問はありますか?」
手元の書類をまとめながら、シュウが促すと、軍主はすいと首を振った。
「特にない。ん、わかった」
明日もよろしく、と凝り固まった身体をほぐしながら言う。
軍議が終わり、そのまま休憩もなく予定の確認に入ったため、疲労がたまったのだろう。元々デスクワークには向いていない軍主だ。動かずにいたせいか、少し眠くなったようで、ぼんやりした顔をしている。元より幼い容姿が、いっそうあどけなく見えた。
それでも、とシュウは思う。
彼は戦場に上がれば、途端に印象を一変させる。
張り詰めた空気と眼下の戦況を見渡す目に、ひやりとする瞬間もある。彼には驕りもなく、ひとひらの恐怖も抑え込んで、そこに立ち続ける。声を上げ、ひた走る。
ふとそこでシュウは、ひとつ付け加えることを忘れていたことに気付いた。
明日はまた戦になる。その前に一つ釘をささねばならない。
「明日の戦、前には出るなよ」
心のままに動く軍主は時折自らの立場を忘れる。いや、忘れたような行動に出る。
そこに勝機はあるのだろうが、あまり御身を危険に晒すような真似をしてもらっては困る。
これは常々仲間内でも一悶着ある事柄なのだが、彼はまるで無関係とばかりにへらへら笑うばかりだ。
きょとんと、シュウを見返す瞳は何を言ってるのかわからない、とばかりに透き通っていた。
「軍主である以上、身を守るのも守られるのも責務だ。誰が犠牲になろうとも、お前が生きなければならない」
軍主に就任する前にも伝えたことだ。
誰をも犠牲にする覚悟がなければならない。自分だけは生きなくてはならない、と本人に自覚してもらわなければ守る人間がかわいそうだ。
ティトは座っている。シュウは立っている。その位置合いと身長差の関係上、どうしてもシュウは彼を見下ろす立場になった。
上からの指示はとても威圧的に感じるだろうに、彼はすっと背を伸ばした。
まっすぐに目を合わせて言う。
「自分が軍主でいる以上、仕方がないこともあると思います」
「そうだな」
「でも、守られてるだけじゃ、俺は生きられません」
顔をしかめるシュウに、ティトは言葉を探すように、目線を落とした。
「これまでの俺を捨てられるわけじゃないっていうか…俺にもどうしても譲れないことがあるから、そこがなくなると俺でいる意味がない…」
なんか違うな…と呟きながら、うまく説明ができないようだ。実際シュウは、ティトの真意がはかりきれないでいる。けれど、なんとなく言いたいことがわかるような気になるのは、彼との付き合いが長くないなりに深まりつつあるからだろうか。
傾げていた首を伸ばして、再度シュウを見上げた彼の瞳はやはりとても透明だった。
「俺が軍主だからできないことも、できることもあるんじゃないかと思うので…それを考えます」
淡々と告げる、そこに対して熱はこもってない。
シュウが真っ先に思ったのは「このくそがきめ!」だった。やはり子どもだ、理想論だ。
けれど、結局シュウは何も言わなかった。
ああ、この軍主でよかったのだ、と思う自分も相当甘くてまだまだ子どもだと思わざる負えなかったから。
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尻切れー
タイトルは「Aコース」様より

2011/01/17(Mon) 00:30 

◆大戦『挑むモノ』R策瑜 


春が来るとどうしてこんなに眠くなるのか。
ふぁ、と欠伸を噛み殺し、縁側にゴロリと大の字に寝転んだ孫策は見慣れた天井を見つめる。
近頃目立った戦もなく暇で暇で仕方がない。
かと言って鍛練をしようにも相手になってくれる奴がいない。
…本気になって鍛練が首の取り合いに発展すればそれも仕方ないのかと。

「つまんねぇーなぁー…」
「珍しいな、お前が大人しくしてるなんてな」

欠伸で出た生理的な涙で滲んだ視界に広がる黒。
驚いて起き上がった孫策を眺め、周瑜は笑う。
品のいい唇を吊り上げ、笑む友人の姿に孫策は頭をかく。

「早く戦いたくてウズウズしてるよ。相手がいねぇんだ…」
「なら、久し振りにやるか?」

ほら、と差し出されたのは一振りの剣。
見上げれば、珍しく好戦的な笑みを浮かべた友人の姿が。
戦に飢えた銀獅子に挑みかかる黒豹が。
その肩に手を乗せた。



■■■
たま様回復(?)祝いに小話を…。伏兵もいいところですが(汗)
涼しいイメージの周瑜ですが、激情家な面もあるのでこういう挑む姿もありかなーと。
黒蝶のイメージがありますが、黒豹のイメージもあります。
策様は銀獅子。狼と迷いましたが、王者ということでこちらに。

2010/03/24(Wed) 22:07 

◆大戦:『戦う理由』(G統R庶) 


倒しても倒しても、それは次々と襲いかかって来る。
己の中にある何かを守るため。
それは家族、友人、国、武勲、欲。
理由。戦う理由を各々が胸に秘め、この戦場に在る。
私は…私は何のために立つ。
何を求めている。

「怯むな!打ち倒せ!」

剣を握り、敵城を前に叫ぶ。
あちらも必死だ。血にその身を染めても立ち向かって来る。
これではまるで。

「元直!」

呼ばれて私は。
突き刺さった矢の痛みに顔をしかめる。
なんとかその場にとどまり…落馬だけは免れたが、痛みで意識が霞む。
唇を噛み、私の身を案じて近付いて来た兵を一喝する。
この程度で、目の前の勝ちを逃すなど愚かなことだ。
例え私が屍になろうとも、今は乱世…才ある者は潜み機会を待っているだろう。
…代わりなど、いくらでもいる。

「…進め!私に構うな!」

自身の声が傷に響く。
私は出来うる限り平然を装って叫ぶ。
兵達から湧きあがる、声。
熱い、血が滾るような。

「行け!この戦、勝てるぞ!」



「元直」

言葉通り戦に勝利し、帰路につく兵達の最後尾についた私を呼ぶ声。
馬を止め、振り返れば危うい手つきで馬を進め、私の横に並ぶホウ統の姿が目に入る。
うまく馬が扱えない、と悩んでいた彼だが…だいぶ上達した。
とはいえ…最前列にいるはずのホウ統が何故?

「見てられないな」

厳しい口調。
見れば怒っているのか、いつもはころころと幾つも変化する表情がまるでない。
不安定な馬の上で、ホウ統は私の右肩…矢で射抜かれ、簡単な処置しか施していない、を強く掴む。

「っ…」
「君はなんで…自分は要らない人間だと思うのかい?」
「…私の…代わりなど、世にいくらでも、溢れているだろう…?」
「また…!人は誰の代わりにもなれない!君は君だけだ!」
「…」

真直ぐ。あまりにも真直ぐに私を見るから。
なんだか昔を思い出して、私は笑う。

「笑うところか!」
「ふふ…昔も、そんな目を…見たなぁ…」
「!」

ゆらりと身体から力が抜けて。
私は力強い腕に支えられながら、襲い来る闇に身を委ねた。
怖くはない。
この身体を支える彼の熱を、確かに感じるから。
私は…おそらく。

『誰かのために生きる。そのために戦いたいのだと思う』



■■■
リハビリ。カッコいい庶っちを目指したつもりがまた病んでしまった…。
なんだかケガしてばっかですいません…。

2010/02/28(Sun) 21:40 

◆大戦:にゃんころり?(統庶)・ヌコミミ・弱下ネタ等注意 


俺はきっと夢を見てる。
いや…もしかしたら昨日飲んだ酒が悪かったのかも。
だとしたら相当ひどい二日酔いだ。

「くー…」

穏やかな寝息をたてて眠る君は…まだ自分の身に何が起こったのか気付いていない。
どうする。どうする俺!
犬が好きそうだと言われるが…実は淋しがり屋な俺は猫が好きだったりする。
あいつらはとんだツンデレ属性だが…そこがミソだ。
初めは『あんたなんか知らないわよ!』とそっぽを向くのに、仲が深まれば深まる程。
『一緒にいてあげるから。側にいてくれないと嫌なんだからね…』

と、その暖かい身体をすりすりと寄せて、にゃんと鳴かれたらもう駄目だ。
俺の猫に対する認識は…もしかしたら一般的に受け入れられないものかもしれないが。
そんな、愛すべき生き物が。
愛すべき人が。
夢のコラボをしている。
ぴょこんとたった茶の毛並み…いわゆる胸キュン確実のネコミミが!
クセの強いその黒髪を割って、脳天近くに生えている。
いつもの悪ふざけじゃない。これは間違なく地肌にくっついている。

「…」

試しにふぅ、と息を吹きかけてみる。

「う…ぅん…」

聞きたくないかもしれないがあえて言おう。
俺は今最高に幸せである!
敏感ポイントの耳に悪戯され、艶のある寝息をたてられたらそりゃ、元気になる。
男の悲しい性だ。

「ん…しげ…うわ!」

ようやく目を覚ましたネコミミ仕様の徐庶に勢いよくダイブし―

「朝から何盛っとるか!!」

猫パンチならぬ雷制裁をくらい俺の夢は儚く散った。
あぁ…もったいない…。



■■■
たま様の日記から貰い受けたバトンというか。
好きなキャラにネコミミつけた絵。でしたが文にしてみました。
たぎりすぎだろ(笑)
ホウ統壊れすぎ。でも彼ならやると信じてます←
さて原稿。シリアス書いてたからギャグが書きたくて…お粗末様でした…。

2009/12/04(Fri) 15:31 

◆身を寄せて、愛を囁いて。(SR遼G嘉) 


何を愛でて、酒を飲むか。
軍略以外で頭を巡るのはそんなことばかりで。
あぁ。もう一つある。
と、郭嘉は顎を撫でる。
すでに夜もふけ、鋭い三日月は中天を越えていた。
夜明けは遠くとも、夜気は氷のように冷たく…薄着の郭嘉の身体から容赦なく熱を奪う。
だから。
早く。

「何をしていた」

現れた巨体を見るなり郭嘉は眉を顰め。
しかし口元だけは空に浮かぶそれと同じように弧を描く。
呆れた。とでも言うように肩を竦め、張遼はため息を吐く。

「この寒い中…死にたいのかお前は」
「どこぞの阿呆が遅かったせいでな。お前こそ俺を殺す気か?」
「あのな…まぁいい。部屋に入れ。風邪をひかれて困るのは俺だけじゃない」

ほら。と、なかなか立ち上がろうとしない郭嘉の細い腕を掴み無理に立たせれば。
痛いと顔を容赦なく殴られる。
あまりに理不尽だが、すでに毎度のことで張遼は何も言わない。
言わないかわりに、小突いたら真っ二つに折れそうな郭嘉を、まるで荷を抱えるかのように肩に担ぐ。

「何をする!?」

ジタバタと暴れる郭嘉の子供じみた抵抗を笑い、張遼は宣言した。

「風邪をひかないよう暖めて差し上げよう」

身震いするような低音で囁かれ、郭嘉は顔を朱に染めた。


■■■
そして翌日郭嘉にねちねち嫌味を言われるのでした(笑)
無双サイト巡りをしていて、すごい張遼に愛を感じた。
呂遼とかね!もはや無節操に歯止めがきかない状況に。
でも本命は遼嘉だと…信じたい。逆もおいしいがね!

2009/11/23(Mon) 00:41 

◆『手』(大戦:統庶) 


その手は不思議な手だった。
自分より長い年月を刻んだ彼の手は。
何故だかいつも冷たくて。
俺はそれを少しでも温めてあげたくて、握る。

「…いつも、主の手は暖かいねぇ」

クスクスと。
同じ布団に横になりながら、まるで恋を初めて知った少女と少年のように。
ぴったりと互いに身を寄せながら。
しっかりと右手を繋いで徐庶は笑む。
一緒に寝ているから身体は暖かいのに、君の手だけがまだ冷たくて。
ギュッと力強く握るのだけれども。

「大丈夫。そのうち」

身体と同じで、互いの熱が伝わり合って暖まるからと。
はにかむように笑う君を、手だけと言わず全部抱き締めた。


目の前の主はいつも暖かくて。
ずっと抱えていた孤独を全部拭い去ってくれるようだった。
手が冷たい人は心が暖かい。
逆に、手の暖かい人は心が冷たいのだと。
どこかで聞いたそれはきっと間違いで。
力強く私を包み込んでくれる彼の胸に身体を寄せる。
波打つ心臓の音を聞きながら、赤子のように丸くなって私は目を閉じた。


■■■
庶っちがオトメになってしまった罠。
G統は体温もテンションも高くて、庶っちは体温は低くてテンションは場合によってぶれるイメージ。
…これが彼をオトメたらしめる原因か。

2009/11/17(Tue) 22:34 

◆リアタイはどんなもん? 

テストアプ。

うーん…思ったより短くてびっくりしたなぁ…。
掲示板だと一回アプしたら書き直せな…くはないけど、ちょっとお試しで数日やっていきたいと思います。

私信→また勝手に作ってすんません…使いにくければ撤去いたしますので…。

ジャンルごっちゃでちょっと走り書き?に使いたいと…。

よければお付き合い下さい。

2009/11/17(Tue) 21:55 

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