狼と猫
□HappyWedding
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1番値段の張る純白のウェディングドレスに身を纏っている女、
───三浦ハル。
今日で三浦を名乗るのも最後。
「はやとさんっ!どうですか?」
似合います?と微笑んでみせるハル。
「……まあまあ、だな」
…すっげー、似合う。
似合いすぎだろ、こいつ。
ここはイタリアの教会。
今から俺達の結婚式が行われる。
式が始まる数分前になると途端に無言になる隣の女。
緊張しているそいつに囁く。
「…何があっても俺はお前を一生大切にするから、」
そう、何があっても。
尚更固まってしまったハルに“気張ってけよ”と微笑む。
「…は、はひ」
どちらとも言えない曖昧な返事をして、三浦ハルはぎこちなく笑った。
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