クラッシャーズ

□風邪イベントリターンズ
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最近風邪気味だと思っていたら急に悪化し、現在私はベッドでくたばっていた。前にもあったなこんな事。
運が悪い事に今家には私1人。マミーとパピーは旅行に出掛けてあと3日は帰って来ない。看病してくれる人などいないが、もう大人だし1人でも問題ない。…ないと思ってたのだが。
とりあえず景光君に風邪引いたから今日は泊まりに行けない事をメールで伝え、薬を飲みに部屋を出る。何か食べないとと漁った冷蔵庫にはゼリーがあった為、それを食べて薬を飲む。冷えピタはなかったから諦めスポドリを持って部屋に戻るその途中の事。階段を上るのがしんどくて途中で1度座ったのだが、床の冷たさが気持ちよくてついほっぺもくっつけてしまう。それがまた気持ちよくて。まぁつまりそのまま寝ちゃったのよ。我ながらアホだわ。

「…んぅ……あれ…?」
「すみれ?大丈夫か?」
「…ひろみつ、くん?」

目が覚めたら私はベッドに戻っていた。そんな記憶ないぞと思っていたら心配そうに景光君が私を覗き込んできた。

「風邪引いたって言うから仕事早く終わらせてお見舞いに来てみたら、階段で倒れてるもんだから心臓が止まるかと思ったぞ。」
「倒れて?…あぁごめん。あれ倒れたんじゃなくて、途中で階段上るのしんどくなってさ。床が冷たくて気持ちいいから…気付いたら寝ちゃっただけ。」
「寝ちゃったって…!余計悪化するだろ!さっき熱測ったら40度近くあったぞ?!」
「…ごめん。」
「とりあえず今日は安静にして、明日病院行くぞ。」
「…もう夜だったんだね。結構寝てたのか。」
「ずっと苦しそうで…すげぇ心配した。代わってやりたいよ。」
「ん…ありがとう。」
「食欲は?お粥作ってやるよ。」
「景光君のなら、食べれるよ。」
「よし。…一緒下行くか?寂しいんだろ?」
「…うん。寂しいから一緒に行く。」

前に看病してもらった時の事を覚えてくれてたようで、景光君は私を抱き上げるとリビングへ向かった。
お粥を作っている間は自重して大人しく座って待っていたが、できたお粥をテーブルに置かれたのを見てから景光君に手を伸ばす。それをわかったわかったと笑った景光君は再び私を抱き上げ座り込む。

「前もこうしてやったな。」
「ね。あの時びっくりしたんだよ。…今回も食べさせてくれる、よね?」
「もちろん。…ふぅふぅ、はいあーん。」
「あー…ん。」

丁度いい塩加減の卵粥はとても美味しくて、そこまでなかった食欲でも景光君効果で全部食べる事ができた。

「今回も全部食べれたな。偉い偉い。」

頭をなでなでしてくれる景光君にもっと撫でてと擦り寄るとすみれと名前を呼ばれる。なぁに?と景光君を見上げると景光君の整った顔が降りてきて咄嗟に目を瞑る。薄く開いていた口に水とおそらく薬が流し込まれ、それを飲み込むまで景光君は私の唇を塞いでいた。

「んく…はぁ…はぁ……。」
「よくできました。」

そう言って飲み込みきれず顎へと伝う水を拭ってくれる景光君のエロさと言ったら。

「移っちゃうよ。」
「そしたらすみれが看病してくれるだろ?」

そりゃもちろん。

ベッドへと戻ると熱測るぞと景光君がボタンに手を掛けぷちんぷちんと3個程外す。そして体温計を脇に挟まれる。測り終わるまでの間、景光君はずっと私の頭や頬を撫でていた。頭痛がどっか吹っ飛んでくからこれすごい。

「…39.2。さっきよりは下がってるな。」

体温計をしまい私の身なりを整えると当然のように景光君もベッドの中に入ってくる。お泊りの許可はすでにマミーに取っているらしく、ずっといてくれるのだとか。景光君の胸に擦り寄るとつむじにキスが降ってきた。

「おやすみすみれ。」
「おやすみ景光君…。」

ちなみに景光君に風邪が移る事はなかった。景光君曰く、

「すみれの風邪菌が俺を苦しませる訳ないだろ?」

だそうだ。

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