サンドリヨン

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休日明け。蘭ちゃんと園子ちゃんに陣平さんとの事を話すと決め、2人に大事な話があるといい放課後の時間をもらう。誰にも聞かれたくないと言うと、園子ちゃんが家においでよと誘ってくれた。

メイドさんが持ってきてくれた紅茶とお菓子に蘭ちゃんとお礼を言う。さっそく一口頂くとさすがと言うべきか、私が淹れる物よりずっと香りが良く美味しかった。

「今日は時間くれてありがとう。」
「ううん、今日は部活休みだったから。」
「私もどうせ暇だし!」
「それでね?今から話す事はとても大事な事で…学校で知ってる人は先生達だけなの。」
「そんなに大事な事を私達に?」
「うん。2人は信頼できるし…大切な友達だから。」
「そう思ってくれてたなんて嬉しいわね!私だってすみれちゃんの事、大切な友達だと思ってるわよ!」
「うん。園子の言う通りよ。」
「ありがとう。」

紅茶をもう一口頂き深呼吸する。

「あのね?…私、結婚したの。」
「…え?」
「結婚…?」
「うん…。」
「え、えええええええええええ!!?」
「うそおおおおおおおお??!」

部屋中に2人の声が響き渡る。この反応は予想していたので特別驚きはしない。ただ、どういう事かと迫る園子ちゃんには圧倒されたが。

「だ、誰と?!」
「陣平さん…あ、松田刑事だよ。」
「まさかの知り合い!!」
「どういう経緯でそうなったの?!」

これには少し口が重くなったが正直に話す。すると蘭ちゃんは顔を赤らめ園子ちゃんはニヤニヤと話を促す。

「じゃあ三者面談の時一緒にいたのって…。」
「あ、保護者ってのは間違いじゃないよ?ほら、私にはそういう人がいないから…陣平さんが代わりにって事で。」
「三者面談に旦那と来るなんて…前代未聞ね。」
「ふふっそうだよね。」

さすが女子高生と言うべきか。休日はどう過ごしてるのとか夜はどうだのという突っ込んだ話まで話はいろいろと転換していく。園子ちゃんのさぁ白状しなさいという剣幕に押され、陣平さんはよく跡を付けてくるとうっかり零すと2人はきゃあきゃあ騒ぐ。

「何よそれ!めちゃくちゃ愛されてるじゃない!」
「相手は松田刑事だから遊ばれてるなんて思ってなかったけど、やっぱりちょっと心配してたの。」
「あああもう恥ずかしい!私の事はもういいでしょ?!2人の話も聞かせてよ!彼氏いるんでしょ!」
「べ、別に新一は彼氏じゃないわよ!」
「あらぁ?誰も相手が新一君だなんて言ってないわよ〜?」
「こ、これは違くて!」

しばらく部屋の中ではきゃっきゃと恋バナに花を咲かせる女子高生の姿があった。

「あ、そうだ。陣平さんとの事、コナン君達も知ってるの。」
「え、どうして?」
「実は陣平さんと出掛けている時に事件現場に居合わせちゃって。その時にコナン君達少年探偵団のみんなと知り合ったの。高木刑事や佐藤刑事にも成り行きでバレちゃったんだけど、私の意志で話したのは2人が初めてだからね?自分から話したかったから口止めしといたの。」
「そうだったんだ。すみれちゃんから話してくれて嬉しいよ。」
「そうだわ!もうこの際お互いにそのちゃん付けもやめましょうよ!」
「いいの?…えっと、園子?」
「なぁに?すみれ。」
「蘭?」
「ふふっ何?すみれ。」
「…改めてよろしくね!」
「こちらこそよろしく!」

この日を境に、私達の仲はより深まっていった。

「陣平さん、今日ね?蘭ちゃん…蘭と園子にも話したんです。」
「その様子じゃ、良い方に転がったみてぇだな。」
「はい!ただ、根掘り葉掘り聞かれて恥ずかしかったです…。」
「話したのか?」
「あの園子には勝てません。…陣平さんが跡付け魔ってバラしちゃいましたよ。」
「別に隠してなんかねぇよ。なんなら、見えるとこに付けてやろうか?」
「それこそ園子にからかわれます!み、見えない所でお願いします…。」
「付けんのはいいのか。」
「私が拒んだ事ないのわかってて言わないで下さい!」

もうっ本当に陣平さんは私で遊ぶのが好きなんだから!

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