短編

□赤司に告白
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「いきなりでごめんね、ずっと前から好きでした」

「...は?」



私は今、赤司君に告白をしました
............ただし予行練習です



「なんだ...練習か」

「本気と思った?ねぇかわいかった?ドキッとした?」

「からかうのはよせ」



そんな呆れた目で見ないでほしいです



「本気になるよ?」

「えっ...」

「嘘」

「なんだとコラ」



こっちがドキッとしたじゃないですか



「あ、そうだ!今日新作まいう棒の発売日なんだよねー
 ちょっとだけ寄り道して帰ろうよ?」



―明日には私の好きな人伝えるから応援してて下さい、なんて



赤司君は“あの”赤司君でしょう?
だったら練習なんて嘘ついた私の心見破ってみせてよ





≪今日の1位はかに座です!おめでとうございます!!≫

「...っしゃー!!」



おは朝占い、いつもは気にしないくせにね
でも今日くらいいいデショ?
髪型整えていつもはしないメイク(と言ってもリップくらいだけど)して女子力上げる
...今日だけだし!



「真ちゃーん!!」

「...なんなのだよ」

「キュンキュンストラップ持ってるでしょ?」

「無論、今日のかに座のラッキーアイテムだからな」

「放課後...じゃちょっと遅いからSHR前に貸して下さい!」

「断るのだよ」

「そこを何とか!私の人事を尽くすためにさ!」

「......」

「おしるこ奢るから!」

「.........」

「1週間分!!」

「...部活前に返してくれるならいいのだよ」

「ありがとう真ちゃん!!」



―放課後



真ちゃんから無事にラッキーアイテムを借りることができました
...って赤司君部活行っちゃう!



「あ、赤司君!最後1回だけ練習させて!」

「仕方ないな」

「好きー好きですー好きだヨー好きなんだYO!!」

「なんだそれはもっと感情込めろ」

「うっ...」



だってふざけないとドキドキしてる胸の音が聞こえちゃいそうなんだもん



「じゃあ頑張れよ、応援してる」

「......」



行っちゃう...待って、待ってよ



「待って!!」

「まだ何か、」

「嘘つきでごめんねっずっと前から好きでした」



あんなに練習したのに...声が震える
でも赤司君が大好きだってことを伝えたくて



「これ以上好きにさせないでよ」

「クスッ...こちらこそ」






右手が温かい
そこからドキドキしてる胸の音が伝わりそうだ
でもドキドキしてる胸の声は聞こえてほしいの、なんて





2015/05/03移動

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