天駆ける竜の乙女!

□episode.9
1ページ/3ページ


銃を抜き取り向かってくる海兵に1発も外すことなく当てる
次々と海兵達は倒れていき徐々に数が減っていく、はずだったが



『ちょっ...なんで減らないのさ!』



一体どっから湧いて出てくるのか一向に数が減らない
あぁもうめんどい!
運動のつもりでこの戦法選んだけどいい加減にしてくれって感じだ
いっそのことバズーカでもぶっ放して一網打尽にしてやろうか
そんなことを考えてきた時だった



「“room”・・・・“シャンブルズ”」



周りにいた海兵達がバラバラになった
うわーバギーもどきがたくさんいるおー、とか暢気なことを考えていた思考はすぐに戻された



「おい行くぞ」

『ふぇ?あのっちょっ...てっ手...っ』



私の手首を掴んで引っ張るローさん
掴まれたところからじんわりとローさんの体温が伝わり恥ずかしくなる
顔から火が出そうだ
・・・いや、顔からではないが実際火は出ているのだ
ローさんは前向いてて気づいていないが私の手から復活世界の産物である死ぬ気の炎がちろちろと出ている
ちょっ収まれし
とりあえずもちつけ...じゃない落ち着け!もちついてどーすんだ

しばらく走り海軍が追ってこないことを確認したローさんはゆっくりと足を止めた



「ここまで来りゃもういいだろ」

『あ、あの...ありがとう、ございました



緊張からかだんだんと語尾が小さくなる



「いや、ウチのクルーが世話になった
 その借りを返しただけだ」

『そうだったんですか...それで......そろそろ、手...』



未だに手首から離れないローさんの手にそろそろ私の心臓は限界だ



「あぁ...悪ィな」

『いえ...』



それにしても...ローさんの前では気持ち悪いくらい態度が変わる
人見知りに磨きがかかり声も自然と高くなる
まぁ上擦っているとも言うが
しらほしちゃんみたいだと言えばイメージしやすいだろうが生憎私はあんなに可愛くはない
これが恋する乙女なのかと他人事のように考える

さっきの会話を最後に沈黙が続く
ローさんは何か考えているのか顎に手を当てている
それが様になっているローさんを直視出来る訳がない私は足元を見つめることしかできなかった



≪ククッ...ローの前ではスミレも恋する乙女じゃのぉ≫

『(わかってるよ!しょうがないじゃんっ好きなんだもんっ)』



いや、しかしこの状況はどうしたらいいのか
大好きなローさんが目の前にいるのに恥ずかしくて声もかけられない
あぁもうキッドの時のようなノリでいけたら苦労しないのに!



「お前は舞蝶屋で合ってるな?」

『ぅえ!?は、はい...!』



い、いきなり話しかけないで下さいいいいいぃ!!心臓に悪いんだって!



「オレの船に乗れ」

『.........フラグが立った』



何ク○ラが立った、みたいなこと言ってんだ・・・・じゃなくて
フ、フラグが立ちましたあああぁ!!
自分から言う前にローさんからお誘いをかけられてしまったあばばばば←



「(フラグ?)拒否権はねェからな」



俺様ktkr!そんなんカッコいいだけですよ私鼻血出そうですから・・・!



『あ、あの...お気持ちは(今すぐにでも鼻血出して出血多量で昇天してしまいそうなくらい)嬉しいんです、けど...
 私、やらなきゃいけないことがあって...』



本当はローさんについていきたい
でもエースの件が終わるまでは、ね



「それは船に乗っててはできないことなのか」

『はい...どうしてもこれだけは譲れないんです
 でも、誘ってくれたことはとても嬉しいです!だから...その......』



厚かましいことかもしれないけど、



『もし次に会った時、まだ私のことを船に乗せたいという気持ちがあったら...
 また、誘ってくれますか...?』

「フッ...上等だ」



私、今なら死んでもいい
いや、死にたくはないよ?物の例えだ
そしてジンベエの親分のパクったサーセン!



  
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ