過去拍手

□2012.1.1〜2013.1.1
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『あけました、一緒に初任務です』




「あけましておめでとー!」

「早速だが、任務にいってもらう」

「何故!?」


大晦日は、任務のメンバーが多くて一緒に過ごせなかった。だからこそ、新年は皆で過ごそうと思っていたのだが――。


「ちょ、リーダー! 今日は、元旦ですよ!?」

「だから、何だ」

「いや、新年早々任務だなんて……」


すると、近くにいたサソリが鋭い視線を向けながら言い放った。


「そんなものは暁にいる以上、関係ない」

「ええー……」


やる気が出ない私は、よほど嫌な顔をしていたのだろう。リーダーが、仕方ないというように息を吐いた。


「……お前はそういうだろうと思って、特別な任務だ」

「はいはい。どうせ、ゼツと二人で潜入捜査とかでしょ」

「違う」


私の諦めモードをバッサリと切る。


「三人でなにやってんだ、うん」


リーダーの話が続くと思われた矢先、デイダラが現れたのだ。その後ろには、他のメンバーも勢揃いだ。


「あ、みんな! あけましておめでとぅ!」

「な、なんだよ。その“とぅ”って、うん」

「何となく?」


楽しく会話していると、リーダーは咳払いをした。そこで、忘れ去られていた任務を思い出し、改めて向き直る。


「任務の件だが、正月にふさわしい任務を与えることにしよう」

「正月にふさわしい?」

「あぁ。東にある、有名な忍術神社というところでメンバー全員のお守りを買ってこい」


すると、今まで黙っていた飛段と角都が声をあげる。


「ゲハハ! 正月早々、任務かよーご苦労だな!」

「そのお守りに出す金は、どこから出すんだ」

「それも、暁の目的達成に必要な一環だ。暁の資金から出してもらう」


その言葉に、リーダの言うことならと角都は了承した。


「それで、何でお守りなんです?」

「確かに、お守りなど俺たちには必要ないものだ」


鬼鮫とイタチも、話に参加する。


「ただのお守りではない」

「と、言いますと?」

「極秘情報が、そのお守りの中に入っている。それは、とある経路から我々に提供されるはずの情報だ。神社の売り子に、情報源の奴らが紛れ込んで渡してくれる手はずだ。だが、忍里の連中が見張っている可能性もある。客として、お守りを無事に買ってこい」


ついでに初詣も済ましてくることを、私は許された。


「分かりましたよ、しょうがないですね。嫌ですけど」

「お守りを受け取ったら、こっそり中身を確認しろ。もしも、中身が偽物であれば情報源のやつらを殺しても構わない」

「はいはい。情報源の奴らが味方を連れてるかもしれないってことですよね」

「あぁ。売り場に行ったら、抜け忍の証である額当てを見せることになっている。変装して隠し持って行け」

「はいはい……」


面倒だ、と感じながらも返事をしていると飛段が笑った。


「頑張れよー! アジトで餅食いながら、応援してやるぜェ」

「めんどくさい……けど、飛段が言うなら頑張る」

「飛段」

「あ? 何だよ、クソリーダー」

「暁はツーマンセルが基本だ。そういうわけだから、お前も行け」

「……はぁぁぁぁぁああああああ!?」


私は、一瞬にしてやる気が出た。




――……‥‥

(飛段! 早く行こう!)
(あ、あぁ……)
(飛段。帰りに寄り道しても許してやる)
(!)
(飛段のやつニヤケてやがるな、うん)



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掲載期間:2012/1/1〜2012/2/1
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