Past after present
□セーブデータ13
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―――二人が洞窟から外に出ると、晴天の青い空……ではなく、まだ日が昇っていない暗い空が上空に広がっていた。
「あ…そっか、ボク達3時に宿出たんだよね。夜中の。」
音子はそう言うとブルブルっと身を震わせた。まだ今の時間は4時過ぎ、日の出ていない外の冷たい空気が寒かったのだろう。
この寒さをどうにかしなければ…と思っていると、後ろから誰かにファーの付いた白いコートを羽織らせられた。
驚いて音子が振り向くと、コートを肩に掛けさせていたソードがいた。
「寒いんだろ?」
「え…まぁ、うん……ありがとう。」
音子はコートを完全に着て身を縮こませると、両手を頬に当て白い吐息を出した。
そして、疑問が一つ生まれた。
「ソードは…寒くないの?」
「全く。」
真顔で風船ガムを膨らませながらソードは言った。
……どこからどう見ても寒そうな格好である。
上着もジーパンも夏物で生地が薄そうに見える上に、マフラーや手袋などの防寒具は何も身につけていなかった。
後は両手首のリストバンドと首の黒い首輪………またそこで一つ疑問が。
「ねぇ、その首輪何なの?」
「通信装置。ちなみに無線ですが。」
「………………」
音子はそれについては何も言わない事にした。
(だってボクもねぇ…)