Past after present
□セーブデータ10
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ソードはフェンのその興味のなさそうな顔を見ると、今度は違う話をした。
「臓器が入ってる場所ってさぁ…どこ?」
その顔はかなり嬉しそうだった。フェンは練りワサビを食べながら無言で部屋の奥のクローゼットを指差す。
ソードは持っていた首を机の上に置くと、ウキウキしながらクローゼットを開けた。
……そこには、心臓や肝臓を始めとする様々な臓器がビッシリと詰まっていた。
「おお…!」
ソードはクローゼットの中の心臓を手に取ると、笑顔をフェンに向けた。
「この引き出し、グロいね☆」
「お前の方がグロいよ…」
フェンはそう言いながら顔を逸らす。
ソードはクローゼットを閉めたが、心臓だけは手に持ったままだった。
「なーなー、この心臓握り潰したらどうなると思うー?」
「血がいっぱい出て床が汚れると思うー」
フェンはやる気のなさそうに返事をする。
「じゃあさー、じゃあさー…」
ソードがまたフェンに何か言おうとすると……何やら赤い物体が部屋の外から飛び込んできた。
「なっ…!?」
赤い物体はフェンを目掛けて飛んで行くが……
ベチャリ……
途中で"何か"にぶつかって落ちてしまった。