Past after present
□セーブデータ05
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早くも体力が無くなり息切れ寸前になる二人。
ジャンケンで息切れするとか、どんだけお前ら本気なんだ。
終わりのなさそうに見えた勝負は……
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「よしっ!」
「あ……」
ソードの繰り出したチョキにより、終わりを遂げた。
「負けちゃった…」
クレアは落ち込んだものの、首をフルフルと横に振るとソードの元に近寄った。
そして、何故か手まで差し延べたのであった。
「良い勝負になりました、ありがとうございます。」
「いや、礼を言うのはこっちの方だ。初めて"ジャンケンで白熱する戦い"が味わえたよ、俺に菓子以外の新たな刺激をありがとう。」
ソードはクレアの手を取り、両手で固く握手を交わした。
…何勝手に打ち解けてんだお前ら。
クレアはソードと握手をし終わると、満足そうに笑っていた。
「フフッ、何だか人間の子供じゃないみたいね、魔力も高いし。…まぁ、そう言うクレアも魔女なんだけど。」
「へー、そうなんだ。俺は悪魔だよ」
さりげなく言ったソードのそのセリフがクレアの動きを止めた。
「え…悪魔……?」
「うん、俺悪魔だけど何か……見て分かるじゃん。ほら、ツノに翼にしっぽ……」
その瞬間、クレアがソードに抱き着いた。