Past after present
□セーブデータ04
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「…はぁ?」
唐突に言われたフェンは、少女が何を言いたいのかサッパリ分からなかった。
「武器は持ってるだけじゃなくて装備しなくちゃ駄目よ」
少女は今も尚体を拘束され、喉元に剣を突き付けられているというのに、何も気付いてないかのようにもう一度言った。
……すると、フェンは喉元から剣を遠ざけ、片手で少女の首を絞めた。
次は何か別のリアクションをするだろう……。
「武器……はぁ……持っ……だ…け……じゃ……く……て……装備………しな…くち……ゃ駄………目よ……」
だが、息絶え絶えで苦しそうに同じセリフを言っただけだった。
「…何かゴメン」
フェンは悲しくなったのか、少女の拘束を解いて剣を背中の剣袋にしまうと、ジメジメした気を出しながらその場に三角座りしてしまった。
すかさず、音子とププが駆け寄る。
「ど、どうしたんですか!?」
「俺ってキャラ薄いのかな…って思って……」
それを聞いた音子はフェンを励ました。
「そんなことないですよ!フェン様は気持ち悪いぐらいキャラ濃いですって!!!」
「そうか…?」
褒めているのか、けなしているのか分からなかったが、フェンは音子の言葉で元気を取り戻した。