Past after present
□セーブデータ00
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魔界歴78523301400年、魔界の魔王城にある、側近の部屋で青髪の悪魔の少年が、何かをブツブツと言っていた。
「今日こそ…今日こそヤツを始末するぞ…!」
この物騒で訳の分からない独り言を言っている少年の名はソード。
ファンタジーでよくある、アノ武器の英語名と同じである。
名前について今は全く気にしてないのだが、幼少の頃は彼なりに落ち込み、葛藤をしていたらしい。
ソードはこう見えて魔界の魔王の側近である。
そして、彼が始末しようと思っている者は……自分の上司でもある、魔王だった。
ソードは元から極悪非道、傍若無人で禍禍(まがまが)しい性格をしていたのだが、魔王を始末する理由は他にあった。
その理由とは……魔王が限りなくアホでヘタレだという事だった。
「あの野郎…魔王のクセにすぐ泣いたり、軍事指揮も取れなかったり、月曜日のゴミだしも出来なかったり、一桁の足し算も分からなかったり……」
何だか後半の方は、魔王として失格なのではなく、大人として失格なような気がする。
ちなみに、魔王はソードより約一万歳ほど年上だ。
ソードも見た目の割には実年齢が高いのだが…