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□OUT OF THE WORLD
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「や、やめっ…やだ!」

しかしそれには過剰に反応してしまい、新八もあらん限りの声で応戦する。だが触手の動きは止まらない。するすると袴を脱がされていくにも関わらず引っ切りなしに胸をいじられ、弄ばれ、新八の思考は千々に乱れ飛び始める。


「どーしたァ?…よがってんじゃねーか」

ひどく楽しげに囁いた高杉の言葉に、新八の頬がかっと熱くほてる。だが晒された下肢に伸ばされた触手の数の多さに、少年は驚きを隠せなかった。

「嫌っ…いや、ッ」

絶え間無い胸への刺激からか、新八の自身は既に屹立していた。それを揉みほぐすように触手は纏わり付き、大きく上下に擦り立て始める。

「あ、あぅ…ン、ん…っ…」

小さく喘いで、新八はきゅっと唇を噛み締めた。自分が辱めを受けるだけならまだいい、だが高杉にこれを見られているかと思うだけでたまらない程の屈辱だった。しかしぼんやりと濁り始めた意識は、その怒りや屈辱を新八から緩やかに奪い去っていく。思考すら、ひたすらに侵していく。

次第に激しく擦られるうちに、新八はどうしようもない熱が腰の奥に集まるのを感じた。

「やぁっ、あっ…!…だめ、いっ…」

「“イク”、か?」

くつりと喉を震わせた高杉が、新八の次の喘ぎを読んでくる。だがそれにはもうあがらえず、少年はただ素直にこくこくと頷いていた。否、頷くことしかできなかった。


思考がぶれて、このままおかしくなりそうだった。感じるまま、導かれるままに達することだけが、今の自分にあるただ一つの幸せのように新八には思えていた。


灼熱の砂漠の中、一杯の水を前にした時のような言いようのない渇きが、今の自分の体を支配している。

それだけは新八も知覚している。

「あぁっ……あ、やぁ…ッ」

だがそれが触手から滲んだ粘液による催淫作用であることを、少年は知らない。

だからただ導かれるまま苦しげに喘ぎ、新八は全てを解放しようとした。しかし途端に別方向から伸びてきた触手の一本が、それを阻止する如く、ぐっと新八の根本をきつく掴む。
新八の目に劣情の涙が浮かんでは、溢れ落ちていく。

「あ、やだぁっ…!!」


新八の茎に絡んだ二本の触手は、てんでばらばらな動きを見せていた。一方は優しく絶頂へと導く動きを繰り返すのに、もう一方はそれを戒めるように強く根元に絡み付いて離れない。

目眩がしそうなその動きに翻弄され、強く体をよじる。全く意味を成さないと知りながらも、そうせずにはいられなかった。

「やだ、やだよっ…、あ、…お願い…ッ」

『イキタイ』と、少年の唇が微かに動く。だが目もなければ耳もない生物に、その懇願が届く筈もない。

それは新八の願いを一切聞かず、たらたらと先走りを零す少年の先端に、更にもう一本の触手を絡み付かせただけだった。丹念にその雫を掬い、まるで慈しむような愛撫を施してくる。

そうして先端にあるくびれまで優しく丹念に撫でられ、粘液という名の媚薬で高められるのに、根本を戒めたままの腕は勿論そのままだった。絶頂に達する直前で留められたままの体は気がふれそうになるほど熱くとろけて、新八の心までもを犯していく。

まさに拷問と呼ぶに相応しい責め苦に、新八はまだ幼さの残るその顔を劣情に歪めた。

「いやだ、いやぁっ…イきたいっ、あ、…ああっ」

いつもは清廉な瞳も今は生き地獄のような快楽へと堕ちきり、ただ欲情を煽るだけのものへと変わっている。その様子に高杉は満足げに唇を歪め、少年が堕ちゆく様をじっくりと観察した。

「あぁ、んっ…ァ、」

腰を浮かすようにして熱の放出を求める少年の姿は、ひどく淫靡だった。黒髪が汗と涙で乱れ、その隙間から覗く瞳にはいつもの凛とした光はもう感じられない。そのかわり、男を誘うようなあだめいた艶がある。

それに僅かに唾を飲み、高杉は笑みの形に唇を吊り上げていた。


悪くない、と思う。
昔馴染みが大切にしているモノを、こうやって壊していくのも悪くない。


「あ、あぁっ、…ゆる、して…っ」

少年の切なげな声は甘くかすれている。涙声で哀願するその声が、その生き物に届いたかは分からない。だが欲情は存在するのか、それは今までのものより僅かに細い触手を、新八のすぼまりにずいと近付けた。

確実に自分と交わろうとするその生物に、新八が忘れかけていた恐怖を再度思い出す。


「いやぁっ…!…いや、や、…あっ」

一瞬高く上げた悲鳴は徐々に濁り、後は快楽を告げるそれへと変わった。触手はゆるゆると襞をなぞり、粘液を纏って新八の中へ浅く侵入してくる。

既にはち切れんばかりの快楽があるのにも関わらずそれをせき止められ、あまつさえ体の内側すら拓かれようとしている。それはとても恐ろしいのに、今の新八の体には、どこか甘美だった。

「あぅ、…ん、…ッ」

だが液体でしとどに濡らされているとは言え、慣れない異物の挿入は到底受け入れられるものではない。その苦しさに息を潜め、少年が荒く呼吸を繰り返す。 その隙にぐっと奥深く入り込んだ触手が、探るように律動を開始する。


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