TOS-R
□mistake
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『次に会う時は……エミル…いやラタトスク……お前を倒す。』
そう言われていた僕には、逃げる資格がある。
でもアステルさんの仇であるラタトスクとしては…逃げる資格は……無い。
「……………。」
長い沈黙を破ったのは、リヒターさんだった。
「まさかここで会うとはな………少し予定が早まるが……まぁ問題はない。」
そう言うと、僕を壁に押し付け首を掴む。
「うっ……ぐっ!……」
確実に絞められている。苦しい。
「あっ…………ひた……さ……っ…」
寝不足が続いた僕に抵抗する力なんてない。
次第に遠のく意識……。
このまま……リヒターさんに殺された方が………良いのかな…
マルタ……ごめんね……
意識が途切れる刹那、苦痛で歪んだリヒターさんの顔を見た。
泣いていた。
「……エミル……すまないっ………愛してる。」
リヒターさんの告白を聞いた気がした。
空耳かな?……でも嬉しい……。
僕も……リヒターさんが……大好きでした。
アステルさんを殺してしまってごめんなさい……
………さようなら。
涙でぐちゃぐちゃだったけど、最後は笑顔を作って……目を閉じた。
えんど→アトガキ。