TOS-R
□scramble
2ページ/4ページ
待ち合わせのパルマコスタに僕が着いた時には、既にリヒターさんは待っていた。
慌てて彼の元へ駆け寄る。
「リヒターさん!」
僕の呼ぶ声に気づいたようで、リヒターさんは視線をこちらにむけた。
「ごめんなさい、遅くなってしまって…」
「いや、俺も今来たばかりだ。」
この何気ない会話がとても落ち着く。
リヒターさんのそばにいられるだけで、気持ちが舞い上がってしまう。
「あのっ……えっとっ……これっ!」
「……?」
さっき作ったお弁当をカバンから出し、リヒターさんに渡す。
「………えっとっ…えっと////……僕っ!お弁当作ってきたんで……よかったら……どうぞ!」
渡すだけなのにスッゴく恥ずかしくて、心臓が張り裂けそうなくらいドキドキしてる。
受け取って…くれるかな……?
恐る恐る下を向いていた視線を上に戻すと、目の前にリヒターさんの顔があった。
「……………!」
途端に真っ赤になる顔。
「エミル………」
リヒターさんは左手でお弁当を受け取り、右手で僕の頬を引き寄せる。
これっ……これって…もしかしなくても…!!
あと数センチの所まで迫ってきているリヒターさんの顔。
僕のドキドキは最高潮に達し、ギュッと目を瞑った。