先導者
□lucky day? or rainy day?
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いつものように学校が終わって、カードキャピタルからの帰り道。
運の悪いことに雨が降ってきてしまった。
「どうしよう…降ってきちゃった…傘持っていないのに……」
とりあえず近くの屋根のある場所まで走る。
(はぁ…濡れちゃった……エミに怒られるかな…)
しばらく止みそうにないし、ここで雨脚が弱まるのを待と…
と、途方に暮れていると、見覚えのある姿が目に入った。
「櫂くん!?」
僕の声に気づいたのか、櫂くんはこっちに向かってきた。
「……アイチか。こんな所で何をしている。」
「きっ急に雨が降ってきたから、傘も無いし…とりあえず雨宿りしてたんだ。」
「………そうか」
「うん、櫂くんも雨…………っくしゅん!」
雨に濡れたからか、少し寒くなってきた。
「……このままだと風邪をひく。とりあえず俺の家にこい。」
「え………いいょ!そんな」
櫂くんに迷惑なんてかけられないよ!
「いいから、行くぞ。」
そう言うと櫂くんは僕の手を掴み、走り出した。
「わっ………////かっ櫂くん!」
繋がれた手に僕はドキドキだった。