TOA
□消えゆく者、支える者。
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レムの塔以降、自分の体が消えるんだって実感がある。
…嫌でも現実を知らされる。
……もうすぐやってくる……必然の死を。
皆に心配してほしくなかった。
だから無理に笑った。はしゃいだ。
―――――そして泣いた。
「……………はぁ。」
ばふっとベットに倒れ込む。
ベルケンドの宿屋で、ジェイドから個室で休みなさいと勧められ、久々に一人になった。
ミュウも俺を心配してか、ティア達の部屋で寝るらしい。
「また…みんなに迷惑をかけちまったな……」
……1人になると、アクゼリュスの人々の顔が思い浮かぶ。
『助けて!』
『人殺し!!』
『あの子を返して!!!』
「やめっ……やめてくれっ!」
聞こえるはずのない声から逃れたくて耳を塞ぐ。
なのに声は響いたままで…
『お前が死ねばよかったんだ。』
『道連れにしてやる』