TOS-R
□真実の愛、結ばれた心。
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……………いた。
エミルは、ロイドの石像のある噴水の隅にうずくまっていた。
「…………エミル。」
「……あ………」
俺の言葉に反応して上げた顔は、酷く悲しい顔をしていて、目にはいっぱいの涙がたまっていた。
「りひた……さ……」
俺の名前を呼ぶ声は弱々しく、掠れていた。
「……俺はお前を守ると……約束した……なぜだ?なぜ俺の前からいなくなった?」
「………………。」
エミルは俺の質問に答えない。
黙り込んだまま、また下を向いてしまった。
「………帰ってください。」
ようやく口を開いたと思ったら、耳を疑うような返事だった。
「………エミル、何言って……」
「帰ってくださいっ!」
さっきよりも大きな声で拒絶のいろを示す。
「帰って……くださぃ…………ダメ…なんです……僕のせいで…リヒターさんの人生を…めちゃくちゃにしては…」
エミルは大きな黄緑色の瞳を細め、ポロポロと涙を流す。
「ラタトスクに捕まったとき……思ったんですっ………リヒターさんに…こんな思いをさせてるのは……僕がっ…そばにいるからだって…………だから…」