異邦ノ彼女

□3戦
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「ぶはっ!」

「姐さん!アニキも!!」

「って、こいつは毛利…?」

「姐さん何でこいつまd」

「文句は後で聞くとにかく引き上げろ!!」

「へいっ!」


覇気?うん使ったかもしれないね。
いやだって、自分より重い荷物2つ(しかも人間)持ったまま立ち泳ぎするの辛いんだもの。
こっちの細身の奴ならともかく、元親は洒落抜きに沈みそう。


「あ、あああ姐さん、少し汗臭いとは思いますがこちらを…!」

「ん?別にいいよ、濡れるのは慣れてるしこのまま少し乾かs…」


「「「駄目です!!」」」

…さいですか。


*****


「……ぅ…?」

「起きた?」

「紫苑!?っぐ…」

「海面に叩きつけられたのが幸いしたわね。そんなに海水飲んでないみたいだし、これといった怪我もなし。肺や頭が痛いのは一時的な酸素不足と落ちた時の衝撃によるものだから心配しなくていいわよ」

「あ、ああ…」


説明の間もキョロキョロとあちこちを見回す元親。
その行動で1つだけ浮かんだ予想、一緒に助けた緑の彼の所在を教えると元親の顔は一気に明るくなった。

…ホモ、とかじゃないよね。
いやでもパッと見綺麗な顔してたし、向こうが実は男装の麗人っていう線も…


「そろそろ起きると思うしアタシは向こうに…」

「ちょっ、そっちはアニキと姐さんが…!」

「貴様か、我を助けたのは」

仕切りを跳ね除けてそこに立っていたのは、確かにさっき引っ張り上げたそいつで。

…うん、声といい骨格といい男性だね。大分線は細いけど。
いやそうじゃない。


「その前に服、変えるか拭くかしたら?」


ずぶ濡れで仁王立ちって、笑えると思うのアタシだけですか。
ちなみにアタシは上から一枚羽織ってるだけ。

だって全身濡れてたし、髪もびしょびしょだし。


そのままでいいって言ったら部下達に全否定された。


「つか紫苑、その格好すげー色っぺぇけどもうちょいどうにかなんねぇのか」

「…別に、アンダーはちゃんと着てるしいいじゃない」

ちなみに今着てるのはラインぴったりのノースリーブシャツとホットパンツ、その上から羽織1枚。
確かに露出は多めだと思うけど…隠す所は隠してるわよ?


そこでようやく、目の前の男がアタシをまじまじ見ているのに気付いた。

「………貴様、南蛮人か…?」

「元親、平和的解決法すなわち話し合いに移行したいんだけど」

「その前にどっかの岸に寄ろうぜ、さっきから嫌な音が聞こえる」

「それなら四国の方が近いですぜアニキ!」

「よし、んじゃ一旦戻るぞ!ああ、毛利はそのまま乗っとけよ。お前らの船も心配ならついて来りゃいいし」


「……は?」


この時、彼がポカーンとしていたのは自分の質問を無視されたかららしい(他人事)






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