過去拍手置き場

□過去拍手
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大好きだから。〜090825






「好き」


「…、うん…//」



「大好き」



「……う、うん…っ//」




――暖かくて心地よい風が吹く、タタル渓谷の花畑。

…ちなみに今は昼間で花は咲いていないけれど、それもどこか綺麗なのが不思議だ。




そんな花畑の中、俺は隣にいる大好きな彼女…ティアに、好き好き言いまくっていた。






その理由1



「ティアは俺のこと、…好き?」


「…もうっ!……っ知ってるくせに…//」




…付き合ってから一度も、ティアに好きだと言ってもらえないから。





理由2



「…んー、じゃあ…キスしていい?」



「〜〜〜〜〜っ!!///」




こんなことでいちいち照れてるティアが、すげぇ可愛いから。





「…ティア、いいだろ?」



ティアの真っ赤な顔を覗き込みながらそう言うと、恥ずかしがりながら小さくこくんと頷いて。

その瞬間、俺はティアの綺麗な唇を塞いだ。




「……んっ…!//」



「…ティア可愛い」



唇が離れると、不満そうに唇を尖らせてリンゴに負けないくらい顔を真っ赤に染め、そっぽを向いてしまった。


「…っルークのばか…」


いつものように、そうお決まり文句を一つ呟いて。





(…俺のこと好きだっていうのはティアの態度でわかるんだけど…うん、やっぱり言ってほしい)




――今日も結局、ティアが恥ずかしがって終わるのかな…。



なんて、そう思った瞬間




「…ルーク、…」




小さく名前を呼ばれると、手が綺麗なティアの手で持ち上げられ、手のひらに指で何か書き始めた。







(……ん…?…あれ、わかんなくなった…!)



「…わかった?」



「…もっかい書いて!」




もう、と少し呆れたように微笑んで、再び文字を書き始めるティア。

俺はティアの指で書かれた文字を見つめながら、手のひらに神経を集中させた。


さらさらと書かれてゆく2つの文字。





“す”……、“き”…?




書き終わると、ティアは手を握ったままニコッと俺に笑顔を向けた。



「…ルーク、わかっ……きゃ…っ//」


その手をグイッと引っ張った反動で、俺の腕にぽすっと収まる。




…伝わった。

伝わったよ、ティアの気持ち。



ティアの細い体を抱き締めて、ぎゅっと腕に力を入れる。




「ル、ルーク…っ//」



腕の中で真っ赤になりながら呟くティア。




「(…すげぇ可愛いんですけど)」







言葉じゃなかったけど







…たまにはこういう伝え方もありかな、…なんて。








大好きすぎるから
してやんない


(好きって言ってくれたら
手繋ぐので我慢したげる)
(じゃあ…まだ言わない)
(…えっ…ティア…!)
(………冗談よ)
(;_;)




fin
_
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