キリリク&拍手文
□あめ玉長者
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あの後、目の色の違う男子に無理やり押し付けられてスポーツドリンクを受け取ってしまった私。
返そうと思って慌ててあとを追ったけど…
「では僕らはこれで。」
『あ、ちょっ……はぁ!?』
彼の背中に手を伸ばした瞬間、周囲に濃い霧が立ち込めて
晴れた頃には二人とも忽然と姿を消していた。
…どうするのさ、このスポーツドリンク
一人思いに耽りながら足を踏み入れたのは近くのコンビニ。
家を出る時に
「牛乳ないから買ってきて」と言われていたのをすっかり忘れていたのだ。
素早く入って会計し、素早く出る。
今日はとことんついてない。苦手な男子と会うし男子と会うし男子と会うし←
早く帰りたい。そして早く過ぎてほしいな、今日と言う日。
いいこと無いに決まってると考えつつ帰路に立つ、と
「あ、やべっ飲み物溢しちまった」
「ドンマイだ山本よ。よし、ここは俺が奢ってやるぞ!」
「そんな!悪いっすよ先輩」
嗚呼、早速出会した。
「いいのだ。お互いスポーツマン、遠慮は無用だ」
「そーっすか?どうもっす」
「うむ。それでい、あ―――――――!」
ッ朝からうるさっ!
←(キャラ崩壊
短髮の人!今のはかなりの近所迷惑ですよ。ここ川原だけど!
私が貴方の前の自販機だったら気絶してるな。色んな意味で。
「どうしたんすか、先輩?」
「極限に金が足りないぞ!しかもペットボトル一本買う分の金までない!不覚だった…」
「ははっドンマイっすよ!また次があるじゃないですか」
そして君はポジティブか。うん。そんな感じの雰囲気だよ、見た目からしても。
なんかいいコンビだ…じゃなくて!
…仕方ない、よね?
嫌だけど相手は困ってるんだもん。
『あの、』
「?誰だお前は」
「見かけない顔だな。俺たちに何か用か?」
『(用って言うかなんていうか)これ、よろしかったら飲みますか?』
土手の階段を下って彼らの元へ行く。
二人が揃ってこちらに振り向くと、私は手に持ったコンビニの袋を手前に突き出した。
「ん?おおっスポーツドリンクではないか!」
「あ!並盛牛乳まであるぜ。もらっていいのか?」
『毒は入ってないと思うんで。』
あー牛乳もったいない!
けどこれでよかったんだ。スポーツドリンクもついでに消費できたし、それに
買った牛乳。さっき見たら賞味期限が明日だったんだよね←
お母さんもお父さんもどうせ二日で1リットルも飲みきれないだろうし、私は滅多に飲まないし、レシートは捨てちゃったし。
また買えばいいよ!あれ、なんかポジティブが移ったみたいだ。
「あーうまかった。やっぱり牛乳は最高だな!」
『早っ(もう1リットル飲み干したの?)』
「ん、サンキューな。替わりにこれやるよ」
『Σえ、』
替わりに…
・・
これを?
『そ、そんな悪いです!』
いらないよこんな危ないもの!警察に見つかったら職務質問されるって。
「俺も何かお礼をしなくてはな!」
『もういらな──』
こんな思いをするのは沢山!
「「もらっとけ(って)!」」
『………』
―結局、断り切れなかった。
私が二人から交換に、ともらってしまったもの‥
ポジティブな男子からは、ちょっと重みのある竹刀。(なんで持ってたんだ)
短髮の男子からもらったのは…
八百屋さんからもらってきたのかな(本当に不思議な人達だ)
独特の房を持つ、アレだった。
スポドリ⇒竹刀+a⇒?