「おかえりなさいですご主人さま」

まんまるで子ども特有の大きな瞳。
アイスブルーのそれは灰色の髪の毛とよく似合う。そのすきまから伸びる人ではないソレに、我ながらよく出来たと満足気に笑って
ぐしゃぐしゃになでまわしておいた。

「お腹はすかないか?」

ご飯にしよう、と呼びかけてみればゆらゆら揺れる髪と同じ色の尾。
猫に模して“つくった”その子は私の腰ほどの身長で、抱きしめてしまえばすっぽりと私のなかにおさまった。

「おなかすいた!……です」

教えてもいないのに私をうやまうその子。

「お前はかしこいね、だが無理に敬語を使わなくても良いんだよ?」

わきの下に手を入れて、腕に力を入れるとヒョイッともちあがる体、体制が安定するようにおしりの下に腕がくるように抱きあげる。

「いけません、だってご主人さまは命の恩人さまですから!」

キラキラした瞳が私をみつめる

「はは、そんなことを気にしていたのか?」

気にするな、只のきまぐれだったんだ。そう言えばその子はきっと悲しむんだろうな(はて、悲しいとは一体何だったか)

「………(泣いた顔が見てみたかった……なんて言ったら嫌われるかもな)

その子を抱きしめたまま、長いながい廊下をゆっくり歩く。

「ふあ、」

「ん、ねむいのかい?」

「に。だいじょうぶ、です」

「まだ時間もある、少し寝てしまいなさい」

背中をぽふぽふ叩いてやれば、ぎゅうっと私の服をにぎりしめて肩に顔をうずめた。
ふわりと香る子供特有の甘いにおいが鼻をくすぐる

「……………か?」

「ん?」

「いま、しあわせですか?」「ぼくはしあわせ!!」

その言葉にきょとんとしてしまう。

「いきなりどうした?」

急な質問におどろいたというのもあるけど、

しあわせ?
シアワセ、
なんだそれは。
知らない、
しらない


「ふわふわで、あまくて、むねがぎゅーってなるんです
しらない、ですか?」

「ふむ………知らないな」




だが、
「それがシアワセというものなら、私はそうなのかもしれないな」

自然とあがる口角。


















あなた、私がつくったのに難しいことを言う。


(研究のしなおしね)
(ご主人さま?)
(なんだい、愛しい子)


090901
狂った研究者が道端でひろった死にかけの子どもを実験に使ったならなんやかんやで一命をとりとめちゃって、
そっから心をとりもどしていくとかそんなベタなストーリーの予感(笑)←
スミス様に捧げまつ^ω^
相互リンクありがとうございましたwww

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