雨が繋ぐ絆
□2.起きろ、少年!!
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しかし、そこではたと思いあたる。
(…あれ…。昨日、俺ベッドで寝たっけ。)
寝起きのぼーっとする頭がいけないのか、何度思い返しても黒猫とソファの黒い生地しか思い出せない。
「あ、…ねこ。何処行った…」
今の回想で昨日拾ってきた黒猫の存在を思い出し、むくりとベッドから体を起こした。
ざっと見渡すがこの寝室にはいないようだ。
布団をめくってもみたが、ここにもいなかった。
しかしまだほんのり小さな温かみが残っている。
「ねこー?…隣か?」
ベッドを降りて隣のリビングへと向かう。
ガラリと寝室の扉を開けて一歩踏み出す。
と、孝宏は……思わず、目の前の光景を疑った。
「……え?……」
「…スー…スー…」
「……えぇ?…」
「…むにゃむにゃ…」
(ちょっと誰ですかこの子ぉぉぉおー!!)