雨が繋ぐ絆

2.起きろ、少年!!
2ページ/12ページ


しかし、そこではたと思いあたる。

(…あれ…。昨日、俺ベッドで寝たっけ。)

寝起きのぼーっとする頭がいけないのか、何度思い返しても黒猫とソファの黒い生地しか思い出せない。

「あ、…ねこ。何処行った…」

今の回想で昨日拾ってきた黒猫の存在を思い出し、むくりとベッドから体を起こした。

ざっと見渡すがこの寝室にはいないようだ。
布団をめくってもみたが、ここにもいなかった。
しかしまだほんのり小さな温かみが残っている。

「ねこー?…隣か?」

ベッドを降りて隣のリビングへと向かう。

ガラリと寝室の扉を開けて一歩踏み出す。
と、孝宏は……思わず、目の前の光景を疑った。

「……え?……」

「…スー…スー…」

「……えぇ?…」

「…むにゃむにゃ…」



(ちょっと誰ですかこの子ぉぉぉおー!!)

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ