雨が繋ぐ絆
□2.起きろ、少年!!
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「ん…」
眩しい。
目を閉じた瞼の向こうからの春のさんさんとした陽の光が射し込んで来ているようだ。
思わず手を目の前に翳す。
「…んー…」
さっき寝付いた気がしてならないのは気のせいだろうか。
太陽光が眩しすぎてとてもじゃないがすぐには目を開けられない。
孝宏は頭から布団をかぶり直し、しばらく中でもぞもぞと寝返りを打った。
今日は土曜日だし、会社は休みだ。
出来ることなら今日1日は寝て過ごしたい。
けど、洗濯物や洗い物が溜まっているのも事実で。
孝宏は、薄目でちらりと時計を見る。
引っ越し祝いに貰った目覚まし時計の針は8時半を指していた。
「……………」
まだそんな時間なのか。
あぁ、何故目が覚めてしまったんだろう。
二度寝は疲れが取れるどころか更にだるくなる。
「カーテン誰が開けたんだよ…」
無意識のうちに自分で開けたのだろうが、恨み言を言わなければ、せっかくの休日の朝なのに、やってられない。
朝から最悪だ。