・短編H・

□クリスマス詰め合わせ@
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「おはよ…う…?」



「とも来た!」



「連行!」



「わー!」



「えっ、な、なに!?」



楽屋に入った途端、年下三人組に突撃された。



―――――



連れてこられたのは隣の空き部屋。
すごい勢いで連れてこられた私は、すごい勢いで去っていった三人をぽけーっと見送った。



「お、おはよう、とも…」



「わっ!ゆかいたの?」



部屋の端っこにゆかはいた。
よくよく見てみると、少し髪の毛がくしゃっとしててなんか乱れた感じで、もしかしなくてもゆかも私と同じ目に遭ったんだと思う。



「この状況、なんだと思う?」



未だに状況を理解できてないみたいなゆかは、困った顔をしてる。
元からの方でなく、たぶん本当に困ってる顔。
そんなゆかを安心させるようにおそらく合ってるだろう考えを言う。



「んー…あの子たちなりのクリスマスプレゼント、かな?」



「えっ、あ、そういうことか!」



メジャーデビューと同じタイミングでゆかと付き合い始めて約3ヶ月。
もちろん初めてのクリスマスだ。
あの三人も気を使ってくれたのだろう。



「そっか…そういえば最近二人で話してなかったもんね…」



思い出すように言うゆかに、そう言われてみればと思った。
私たちはリーダーとサブリーダー。
しかもつい最近芸能界に入ったばかりときた。
覚えることが山ほどあるし、年下の面倒も見なくてはいけない。
恋人と呼ばれるようなことはあまりしてなかったのが事実。



「じゃあ三人に甘えて、今はまったりしますか」



ゆかの隣に行きながらそう言うと、ゆかはふにゃっと幸せそうに笑って。
この笑顔を独占するのは久しぶりだと思ったら、愛しさがいつにも増した。
微笑んで、二人の距離をもっと詰める。
顔を少し赤くしながら目を瞑ったゆかを覆うようにした直後だった。



「ともー!りんかがいじめたー!」



「ちがっ!うえむーが悪いんでしょ!」



「だから二人の邪魔しちゃダメだってば!!」



慌ただしく部屋に入ってきた三人に、直ぐ様ゆかと距離を取る。
不自然だったと思うけど、三人は自分達のことでそれどころではないらしく何を突っ込まれなかった。
それに感謝しつつ口を開く。



「なに、どうしたの?」



「あんなっ、あかりが楽しみにしてたお菓子りんかが食べてん!」



「かりんジャンケンで勝ったもん!」



「だから二人に言わなくてもいいでしょ!」



「だってきーは味方してくれんもん」



「かりんに対して冷めた反応するし」



「それは二人がいけないんでしょうが!」



勝手に騒ぎ出した三人をしり目にゆかを見る。
ゆかはさっきより顔を赤くして苦笑してた。



だけど、その様子がなんだか幸せそうだったから、もうしばらく子供たちのお守りに手一杯でもいいかなと思った。



end
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